AI × FA ダイジェスト TUESDAY

2026年9月15日

制御設計・フィールド業務・AIニュースの動きを、ひとつに。

THIS ISSUE12TOPICS / 全文無料
制御設計05フィールド業務05AIニュース02
A

制御設計

5 TOPICS
TOPIC 01制御設計

AIが書くSTコードがSysmac Studioで通らない典型パターン——型付きリテラル・配列INDEX・Execute型FB

AIにSTを書かせると、コードの見た目は正しそうなのに Sysmac Studio ではビルドが通らないことがよく起きる(非対応の範囲はメーカや機種で異なる)。しかも通らない場所には偏りがあり、主役は型付きリテラル、配列インデックス、Execute型FBの3つで、そこに文字列連結とREAL比較が脇役として加わる。最頻出は型なしリテラルの暗黙変換で、AIは `usiState := 0;` と書くが、Sysmacでは左辺がUSINT型なのに右辺がINT型リテラルと解釈されるため `usiState := USINT#0;` と型を明示する必要がある。警告で済んでビルドが通っても型の境界で値が化ける可能性があり、時間やバイトも `PT := T#5s;` `abBuf[0] := BYTE#16#01;` のように明示が要る。

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配列インデックスにはINT型が要求されるので、カウンタがUSINTなら `arState[USINT_TO_INT(usiID)]` のように変換関数を挟む。STは暗黙の型変換が極めて限定的だからで、配列が0始まりか1始まりかを仕様に明記しないとAIが推測して境界で1つずれ、隣の要素を静かに読み書きする。最も厄介なのがExecute型FBで、こちらはビルドが通るのに動作がおかしい。Done を受け取ったら `Execute := FALSE` で一度落とさないと次の起動でエッジが立たず、「1回目は動くが2回目が動かない」という形で表面化するため机上では気づきにくい。文字列は `+` で連結できず `CONCAT` を使い、改行は `$N` / `$L`、REALの等価比較は `IF ABS(rValue) < 1.0E-9 THEN` のように許容誤差を持たせる。記事は「AIが悪い」のではなく「STの前提が他言語と違う」ことが根本原因だとして、NG/OK対比をスキルに入れて前提を先に渡すことを勧めている。

情報源
Zenn plc (2026/09/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

これは今日そのまま真似できる、数少ない「AI×制御設計」の実装知です。最初の一歩は、自分が普段AIに投げるプロンプト(またはClaude Code/ChatGPTのカスタム指示・プロジェクト指示)の先頭に、記事のNG/OK対比を5行だけ貼ること。「数値リテラルには必ず型を明示(USINT#0、T#5s、BYTE#16#01)」「配列添字はINTに変換して渡す(USINT_TO_INT)」「配列は1始まり(または0始まり)と明記」「Execute型FBはDone後に必ずExecute:=FALSE」「文字列は+ではなくCONCAT、REALは等価比較しない」。所要10分、費用ゼロです。次の段階は、レビュー側の機械化。記事が言う「`:= 0` や `= 1` のような裸の数字を検索する」は、Sysmac Studio からSTをテキストで書き出して、エディタの正規表現検索で `:=\s*[0-9]` を引っかければ一覧になります。これを自機のSTプロジェクト1本で試して、何件出るかを数えるところから始めてください。ゼロ件なら今の書き方は安全側、数十件出るならAI以前に自分の資産側にも同じ地雷が埋まっています。3段目は、三菱系(GX Works3 / ST)に読み替える作業です。メーカごとに厳しさが違うと記事自身が断っているので、そのまま横流ししてはいけません。自分の環境で「型付きリテラルなしで通るか」「添字の暗黙変換が通るか」を、捨てプロジェクトで各3行ずつ試して、通る/警告/エラーの3分類の表を作る。半日で終わって、以後ずっと効きます。コストはゼロ、必要なのは開発環境だけ。注意点は2つ。ひとつめは、Execute型FBの罠は「ビルドが通ってしまう」種類なので、AI生成コードのレビュー基準を「ビルドが通ったらOK」にしていると素通りすることです。連続起動(2回目・3回目)のテストを受入条件に入れてください。ふたつめは、AI生成STを客先の実機にいきなり流さないこと。記事の4パターンは「気づきやすいバグ」であって、論理そのものの妥当性は別問題です。

TOPIC 02制御設計

日立がフィジカルAI向け「制御ガードレール」技術——AIの制御指令をリアルタイムに監視・補正

日立製作所は2026年9月14日、フィジカルAIの安全運用に向けたガードレール技術を開発したと発表した。産業、エネルギー、モビリティ分野など、ミッションクリティカルな社会インフラ領域でフィジカルAIを安全に運用できるようにすることをめざす。設計時は、膨大なシステムの仕様書や構造情報から、機器・機能・制御の関係をAIが理解しやすいナレッジグラフを作成し、それをもとにAIを用いて事前ハザード分析や安全制約の抽出などの安全分析を支援する。稼働時は、その安全制約に基づいてAIが生成した制御指令を、リアルタイムに制御ガードレールで監視・補正することで安全な運用継続を支援する。実行時の監視・補正には Control Barrier Function(CBF)に基づく方式を用い、AIプランナー、ガードレール、別系統の安全装置による多層の保護構造をとる。

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自動機械と人が混在する環境での運行を想定した自動走行システムのシミュレーションでは、同技術を適用した自動制御において、安全制約を満たしつつ過度な停止を89%削減できる結果が得られた。従来のAI制御では過度な停止や復旧対応により運用継続性が低下する課題があった。今後は社会インフラ知能基盤モデル「IWIM」を支えるOTセーフティ技術として、実運用を想定した適用検証を進める方針。

情報源
AI Watch (2026/09/14) / 出典を読む ロボスタ (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

「AIに判断させるが、最後の一線はAIの外側で止める」という構造そのものが、制御屋の既存設計と地続きなのが今日の要点です。実のところ、あなたがラダーで毎回書いているインターロックは、この記事で言うガードレールと同じ役割を果たしています。最初の一歩は、AIを入れる前に、いま担当している設備1台について「安全制約の一覧」を紙1枚に書き出すこと。人が入ったら動かさない、この軸がこの位置にある間は隣の軸を動かさない、圧力がこの値を超えたら排気、といった条件をラダーから拾って文章化します。所要1〜2時間、費用ゼロ。これは将来AIを入れるかどうかに関わらず、装置の引き継ぎ資料としてそのまま使えます。次の段階は、この一覧を「AIに触らせない領域」として物理的・論理的に分離すること。記事が言う多層構造を自分の盤に読み替えると、上位でAIが指令を出す構成にしても、安全リレー・セーフティPLC・ハードワイヤの非常停止は従来どおり別系統で残す、という設計になります。ここを兼用してコストを削ると、AIが誤った指令を出したときに止める手段がなくなります。3段目は「過度な停止を89%削減」という数字の読み方です。これは安全側を緩めた結果ではなく、止めずに済む場面で止めなくした結果として書かれています。自分の現場に置き換えるなら、まず「本当は止めなくてよかったのに止まった」チョコ停を1か月分記録してみてください。日報や設備ログから拾えます。この件数が多いなら、AI以前に、インターロック条件が過剰に広く取られている可能性があります。コスト感としては、記録と条件の棚卸しはゼロ円、実際のフィジカルAI導入は現時点では社会インフラ向けの検証段階なので、中小規模の装置にすぐ降りてくる話ではありません。注意点は、この種の技術が普及したとき、客先から「AIが出した指令を監視する層はどこにあるのか」と聞かれる側に自分が回ることです。答えられる用意を今から作っておくのが実利です。

TOPIC 03制御設計

EtherCATが「OP」でも動かない——指令がどこまで届いたかを一往復で追う切り分け

EtherCATはOP(動作中)でノード異常も出ていないのに、インバータが速度指令どおりに動かない。こういう時に通信設定とラダーを行ったり来たりすると時間がかかる、という現場の切り分け手順の投稿。三菱電機のMELSEC MXコントローラに EtherCAT 対応の MX-F モデルが追加されたことに触れ、接続やモーションの統合が進むほど、立上げで見たいのは「通信できたか」の先だとする。例として、センサを踏んだらコンベアを低速へ切り替える制御を挙げ、PLC内部の低速指令 → 送信しているPDO・制御ワード → インバータから戻る状態ワード → 実際の出力周波数、の順に追うことを勧めている。

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PLCの低速ビットがONしているだけでは、その値がPDOへ入ったかは分からない。送信PDOまで変わっているのに状態ワードが変わらないなら、ラダーのタイマより、インバータの運転モードや指令受付条件を見る。逆に、状態ワードは指令を受け付けているのに周波数が変わらないなら、上限設定や別指令との競合、機械側へ調査を進められる。全部を「速度切替異常」にまとめると、毎回PLCから調べ直すことになる。EtherCAT立上げは、リンク状態ではなく、指令がどこまで届いたかを一往復で追う。送ったつもりと受け付けたつもりを分けるだけで、次に見る場所がかなり絞れる、と結んでいる。

情報源
X @shin_debug_ai (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

これは明日の立上げでそのまま使える切り分けフォーマットです。最初の一歩は、この4段(PLC内部指令/送信PDO・制御ワード/受信の状態ワード/実際の出力周波数)を、担当装置のモニタ画面として先に作っておくこと。GX Works3 なら「ウォッチウィンドウ」に4つの要素を1画面に並べて登録し、プロジェクトに保存しておきます。所要30分、費用ゼロ。トラブルが起きてから作ると、その場でデバイス番号を探すところから始まって時間を失います。次の段階は、この4段をチェックシート化して、切り分け結果を「どこまで届いていたか」で記録する運用にすることです。異常名(速度切替異常)ではなく到達点(送信PDOまでは変わっていた)で残すと、次に同じ現象が出たときに調査の開始位置が変わります。紙1枚でよく、装置ごとにファイルへ挟んでおけば引き継ぎ資料にもなります。3段目は、生成AIの使いどころです。この手の切り分けはAIに「どこが悪いか」を当てさせても役に立ちませんが、モニタした4つの値を貼って「この組み合わせから何が言えるか、次に見るべき候補を挙げて」と聞くのは有効です。ChatGPT / Gemini の無料枠で足ります。ただし機器型式や客先名は入れず、値と挙動だけを渡してください。コストは、ここまで全部ゼロ円。追加投資が要るとすれば、EtherCAT のマスタ側パケットを見るためのアナライザですが、多くの場合は上記4段のモニタで足ります。注意点は2つ。ひとつめは、インバータ側の「運転モード・指令受付条件」は機種ごとにパラメータ番号が違うので、装置ごとに該当パラメータ番号を先に控えておくこと。現場でマニュアルを引き始めると30分持っていかれます。ふたつめは、状態ワードのビット定義を自己流で覚えないこと。メーカのマニュアルの該当ページを印刷して盤に入れておくのが、結局いちばん速いです。

TOPIC 04制御設計

PLC・CNC・ロボットを統合したセルで、途中で止まったときに何を「正」とするか

PLC、CNC、ロボットを一つにつなげる展示が増えているが、立上げで怖いのは、全部つながっているのに工程の正解を誰も持っていない状態だ、という投稿。例として、加工完了後にCNCはチャックを解除し、PLCは取出し工程へ進んだが、ロボットは把持する前に停止した、という状況を挙げる。ここで異常リセットして PLC・CNC・ロボットを全部初期状態へ戻すと、加工済みワークへ再加工を指示するかもしれない。PLC工程だけ残せば、手動でワークを抜かれたことに気付かない可能性もある。そこで、セル全体の工程はPLC、加工状態はCNC、姿勢と把持状態はロボット、ワークの実在はセンサ、というように正とする情報を決める。

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指令、受付、動作中、完了も一つのビットへまとめない。通信が復旧しただけでは再開せず、チャック、工具、ロボット姿勢、ワーク有無、要求IDを照合し、矛盾がなければ途中工程へ戻す。判断できなければ、確認項目をHMIへ出して自動再開を禁止する。統合コントローラやAIで正常時の動きは作りやすくなるが、本当に統合すべきなのは機器の台数ではなく、途中で止まった時の工程判断だ、と結んでいる。

情報源
X @shin_debug_ai (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

統合セルの話に見えますが、中身は「復帰シーケンスの設計」で、2台構成の小さな設備でも同じことが起きます。最初の一歩は、担当している設備1台について「何を正とするか」の表を作ること。行に情報(工程ステップ/加工状態/把持状態/ワーク有無/要求ID)、列に保持先(PLC/CNC・加工機/ロボット/センサ)を置いて、各行で正とする保持先に丸を付けるだけです。A4横1枚、所要1時間、費用ゼロ。ここで2か所に丸が付く行があれば、それが将来の復帰事故の候補です。次の段階は、異常リセットの挙動を実際に確認すること。今の設備で「途中で止めて、リセットを押したら何が起きるか」を、ワークを入れた状態と抜いた状態の2パターンで試します。加工済みワークに再加工を指示しないか、手でワークを抜いたことに気付くか。ここで気付かない設計になっていたら、ワーク有無センサの値を復帰条件に入れる改造を、次の停止機会に合わせて提案できます。3段目は、投稿が言う「指令・受付・動作中・完了を一つのビットにまとめない」の実装です。M接点1点で「取出し要求」を表している箇所を探し、要求/受付/実行中/完了の4点に割り直します。デバイスは食いますが、止まった瞬間にどの段階だったかがラダーモニタだけで分かるようになり、電話一本での遠隔切り分けが現実的になります。コストはデバイス点数だけ、金額ゼロ。注意点は3つ。ひとつめは、復帰条件を厳しくすると自動再開しない場面が増えるので、HMIに「何が矛盾しているか」を必ず表示すること。表示なしで止めるだけだと現場が勝手にリセットを連打します。ふたつめは、要求IDを持たせるなら、電源断をまたいで保持するデバイス(ラッチリレー)に置くこと。3つめは、この表は装置ごとに違うので、テンプレ化して他装置へコピーするときも必ず1行ずつ見直すことです。

TOPIC 05制御設計

GASの連続実行時間は6分か30分か——公式ドキュメントは6分、実測は30分でタイムアウト

GASの実行時間は無料環境では6分、有償環境では30分、というのがGASを触ったことのある人の共通認識だったが、いつのタイミングか分からないものの公式ドキュメント(クォータページ)での表記が6分に統一されている。一方で手元のスクリプトには6分を超えて動いているものがある。どちらなのかを実測した記事。検証方法は、Google Workspace 環境で1分ごとにログ出力するスクリプトを無制限ループさせ、`Utilities.sleep(1000)` で1秒ごとに経過時間をチェックする方式。実測結果は30分でタイムアウトし、Google Workspace 有償アカウントでの実行でスクリプトは30分間実行され続けた後に強制終了された。

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一方、2026年9月時点の公式クォータページでは、無料アカウントも Google Workspace もともに6分と記載されている。記事は免責として、執筆時点(2026年8月)の挙動であること、クラウドサービスのクォータは予告なく変わる可能性があること、Workspace 環境ひとつでの実測であり全環境で同じ結果を保証しないこと、経過措置である可能性もあることを断っている。結論は、実測では30分制限が現在有効だが、公式ドキュメントは6分を謳っており、将来的に6分に統一される可能性がある、というもの。

情報源
Zenn googleappsscript (2026/09/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

設計業務の自動化をGASで組んでいる人には、地味ですが致命的な前提の話です。記事自身が「将来的に6分に統一される可能性がある」と書いている以上、実務側の答えは「30分に頼らない構造にしておく」の一択になります。最初の一歩は、自分が書いたGASのうち、1回の実行が数分を超えるものを洗い出すこと。Apps Script の「実行数」画面を開いて、実行時間の列を降順に眺めれば1分で分かります。費用ゼロ。制御設計まわりだと、タグ表の一括チェック、図面ファイル名の棚卸し、複数スプレッドシートの横断集計あたりが該当しがちです。次の段階は、6分を超えるものを「分割実行」に直すこと。定番の作り方は、処理対象の行番号を PropertiesService に保存しておき、1回の実行では例えば200行だけ処理して、続きがあれば `ScriptApp.newTrigger` で1分後の自分自身を予約し、終わったらトリガーを削除する形です。この骨格は generative AI に「GASで、処理位置をPropertiesServiceに保存して分割実行するテンプレートを書いて」と頼めば10分で出てきます。3段目は、監視との組み合わせです(軸Bのトリガー未着監視の話と直結します)。分割実行にすると「途中の回でこけて、以降が動かない」失敗モードが増えるので、最終回が終わったときだけ完了を記録する仕組みを必ず付けてください。コストは全部ゼロ円、必要なのは Google アカウントだけです。注意点は2つ。ひとつめは、この記事の実測はWorkspace有償環境1つでの結果なので、自社アカウントで同じとは限らないこと。自分の環境で1度だけ同じ検証(1分ごとにログを吐く無限ループ)を回して、何分で切られるかを確かめておくのが確実です。ふたつめは、公式ドキュメントが6分と書いている以上、客先や社内に説明するときの根拠は6分側にしておくこと。実測30分を前提に設計を説明すると、仕様変更で切られたときに言い訳ができません。

B

フィールド業務

5 TOPICS
TOPIC 06フィールド業務

NTN「i-WRIST Type-U」×KDDIテクノロジー「MiraLens」——現場画像で学習するAI外観検査

NTNは「ファクトリーイノベーションWeek【秋】2026」(2026年9月9〜11日、東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第5回スマート工場EXPO【秋】」において、KDDIテクノロジーとともに外観検査の自動化・生産性向上をテーマにしたソリューションを紹介した。KDDIテクノロジーが提供するAI画像検査プラットフォーム「MiraLens(ミラレンズ)」は、現場の画像で精密なAI学習が可能で、学習後は即座に運用でき、スキル不要で利用できるとする。NTNの搬送用ロボット「i-WRIST」は、小型で大きな動作範囲を備え、人間の腕のような柔軟な動きが可能で、カメラ、ディスペンサー、グリッパー、検査装置などのエンドエフェクターと組み合わせられる。

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展示では、i-WRIST をベースに MiraLens と搭載カメラを組み合わせたユニット「i-WRIST Type-U」を外観検査の自動化向けとして紹介した。コンパクトで省スペースな設計で、さまざまなワークサイズに対応する。カメラで検査対象の外観を AI で判定し、判別結果を出力する。

情報源
MONOist (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

外観検査の自動化は「カメラを付ければ終わり」ではなく、ワークをどう動かして何面撮るかで難易度が決まります。この展示が示しているのは、検査AIと、それを多方向から当てるための動きを、1ユニットにまとめた構成です。最初の一歩は、客先で「目視検査が残っている工程」を1つ選び、スマホで20枚だけ写真を撮ること。良品10枚、不良10枚。撮るときに気付くのが本番で、照明の当たり方で見え方が変わる、角度を変えないと見えない欠陥がある、という点が分かります。所要30分、費用ゼロ。ここで「1方向から撮れば判別できる」なら固定カメラで済み、Type-U のような可動ユニットは要りません。次の段階は、その20枚を汎用の生成AI(ChatGPT / Gemini の無料枠)に渡して「この10枚と10枚を分ける特徴を挙げて」と聞いてみることです。人間が言語化できていない判定基準が炙り出されます。AI検査の導入提案で最初につまずくのは、客先の検査員が「なんとなく分かる」で判定している基準の不在なので、ここを先に埋めておくと話が前に進みます。3段目で初めて、MiraLens のような現場画像で学習するプラットフォームや、i-WRIST Type-U のような多方向撮像ユニットの見積を取る段階に入ります。コスト感としては、ここまでの棚卸しはゼロ円、検査AIプラットフォームは年額のライセンス費、ロボットユニットを含めると設備投資として数百万円規模を見込む話になるので、いきなり見積から入ると企画が止まります。注意点は2つ。ひとつめは、AI判定の出力をそのまま良否判定として下流に流すと、誤判定時の責任の所在が曖昧になること。当面は「AIがNGと言ったものだけ人が見る」という選別補助の位置づけから始めるのが安全です。ふたつめは、学習用画像の権利と持ち出し可否を客先に先に確認すること。製品の外観写真は、それ自体が機密扱いになる現場があります。

TOPIC 07フィールド業務

荏原製作所が状態監視システム「EBARAメンテナンスクラウド」を展示

荏原製作所は「ファクトリーイノベーション Week【秋】2026」の構成展の1つである「第5回 スマート工場EXPO 秋」において、状態監視システム「EBARAメンテナンスクラウド」を紹介した。独自センサーでポンプなどを24時間状態監視する仕組みとされている。

情報源
MONOist (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

メーカーが自社機器の状態監視をクラウドサービスとして出してくる流れは、フィールドエンジニアリング側の仕事の形を変える話なので、製品の詳細より「自分の立ち位置がどう変わるか」で読むのが実用的です。最初の一歩は、担当している客先設備のうち、ポンプ・ブロワ・コンプレッサといった回転機がどれだけあるかを数えること。設備台帳か現地の機器リストから拾えて、所要1時間、費用ゼロ。ここが多い客先ほど、メーカー純正の状態監視サービスが先に入ってくる可能性が高いと考えられます。次の段階は、そのとき自分が何を提供できるかの整理です。メーカー純正サービスは自社機器の内部状態には強い一方、その機器が止まったときに前後の工程がどう連動して止まるか、復帰にどんな手順が要るかは、盤とラダーを知っている側にしか書けません。手元の1設備で「この機器が止まったら、どの工程が何秒後に止まり、復帰にはどの順で何をするか」を書き出しておくと、監視サービスの通知を受け取った後の手順書として、そのまま価値になります。3段目は、自前で似たことをやる場合の現実的なラインです。既設のPLCで取れている値(運転信号、電流、圧力、積算運転時間)をすでに持っているなら、それをスプレッドシートへ日次で吐き出して閾値を2段(注意/異常)で見るだけでも、傾向監視としては成立します。GASとスプレッドシートで組めるので費用ゼロ、ただし24時間の高頻度サンプリングは別の仕組みが要ります。注意点は2つ。ひとつめは、この展示に関して手元で確認できた情報は展示された事実とシステム名に限られるので、仕様・価格・センサー方式を客先に説明するなら必ずメーカー公式の資料に当たること。ふたつめは、監視データをクラウドに上げる話は客先の情報管理規程に触れるので、技術検討より先に社内の情報システム部門を巻き込むことです。

TOPIC 08フィールド業務

原点復帰は「原点に戻す処理」ではなく「安全に原点まで戻れる状態を作る処理」

設備立上げで地味に時間を奪うのが「原点復帰」だ、という現場の投稿。単体ではちゃんと戻るのに、自動運転から戻すと動かない。こういう時は大体、退避条件、インターロック、現在位置、原点センサ、他軸との干渉条件のあたりがどこかで引っ掛かっている。原点復帰は「原点に戻す処理」ではなく「安全に原点まで戻れる状態を作る処理」として設計した方がいい。立上げで毎回苦労する設備は、だいたい原点復帰の設計が雑である、とまとめている。関連する投稿では、ファナックなどの多関節ロボットの原点復帰は特に注意が要るとも述べられている。

情報源
X @enginner_dog (2026/09/14) / 出典を読む X @enginner_dog (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

短い投稿ですが、設計のチェックリストに直せる形をしているのが使いどころです。最初の一歩は、投稿が挙げている5項目(退避条件/インターロック/現在位置/原点センサ/他軸との干渉条件)を、そのまま原点復帰の設計レビュー項目にすること。自分の担当装置1台のラダーを開いて、原点復帰ルーチンについてこの5項目が明示的に書かれているかを確認します。所要1時間、費用ゼロ。ありがちなのは、単体復帰の条件しか書いておらず、自動運転の途中状態から戻るケースが想定されていないパターンです。次の段階は、テストケースを「単体で戻る」以外に増やすこと。最低でも、(1) 自動運転の各工程の途中で非常停止をかけてから復帰、(2) 他軸が干渉位置にある状態で復帰、(3) 原点センサを踏んだ位置で電源を入れ直して復帰、の3つは実機で試してください。立上げ中にここを潰しておかないと、客先で人が変わった瞬間に電話がかかってきます。3段目は、投稿が言う「安全に原点まで戻れる状態を作る処理」への作り替えです。具体的には、復帰ボタンを押したらすぐ動き出す構成をやめ、押した時点でまず条件判定だけを行い、揃っていなければHMIに「何が足りないか」を出して動かさない、という2段構えにします。揃っていれば従来どおり復帰する。この改造はラダーの追加だけで済み、費用ゼロです。多関節ロボットを含む設備では、投稿が注意を促しているとおり、ロボット側の原点復帰はPLC側から一括で呼ぶのではなく、姿勢を確認したうえで手順を分けるのが安全側です。注意点は2つ。ひとつめは、干渉条件を厳しくしすぎると「どうやっても復帰できない位置」が生まれるので、必ず手動軸送りで脱出できる経路を残すこと。ふたつめは、復帰手順をHMIの表示とセットで作ったら、その内容を取扱説明書にも反映すること。画面にだけ書いても、客先の担当者が代わると伝わりません。

TOPIC 09フィールド業務

GASの時間主導トリガーが「起動しなかった日」に気づく——HTTPで未着を監視する

GASの時間主導トリガーで日次処理を動かしていると、処理中に例外が起きた場合はログや失敗通知を確認できる。一方で、トリガー自体が起動しなかった場合や、通知処理まで到達しなかった場合は、処理の内側だけを見ていても気づけない。「成功メールが来ないこと」を毎日人が確認する運用にも限界がある。記事が提案するのは、実処理はGASで従来どおり実行しつつ、外部に予定を持たせ、期限までに完了報告が届かなければ未着として扱う2層分離型の監視。処理完了後にHTTPで外部監視サービスへ報告し、監視側が期限までの報告有無で異常判定する。報告オブジェクトには、event_id(UUIDで一意識別)、scheduled_for(当日09:00 JSTをISO形式で指定)、status、metrics(保存件数などの数値)、assertions(期待結果の真偽値)を含める。

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運用上の注意点として、トリガーは「9時から10時の範囲」で起動するため通常の処理時間を含めて期限を設定すること(例: 10時15分)、処理開始時に報告するとその後の保存失敗に気づけないため保存完了後に報告すること、再試行は実処理全体ではなく報告送信だけにして二重実行を防ぐこと(再送時は同じ event_id と同じJSON)、明示的な失敗/完了but期待結果未満(例: 件数0件)/期限内に報告なし、を区別すること、正常終了・異常値報告・未着表示の3パターンで事前検証すること、外部監視自体の停止は別の外形監視が要ることが挙げられている。

情報源
Qiita GAS (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

「動かなかったことに気づけない」は、GASに限らず現場の自動化全般で一番危ない失敗モードです。制御屋の言葉に直すと、これはウォッチドッグタイマの話で、投稿の言う「期限までに完了報告が届かなければ未着」は、定周期でリセットされないタイマが上がったら異常、というラダーとまったく同じ構造をしています。最初の一歩は、自分が回している日次の自動処理(日報集計、点検記録の転記、バックアップ、タグ表のチェック)を書き出して、それぞれについて「動かなかった日に、自分は何日後に気づくか」を横に書くこと。所要20分、費用ゼロ。ここで「気づかない」と書かれたものが対象です。次の段階は、外部サービスを使わずに同じ効果を出す最小構成から始めることです。監視される側と監視する側を別のGoogleアカウント/別のスプレッドシートに分け、処理側は完了時に監視用シートへ1行(日付・件数・結果)を追記、監視側は別トリガーで毎朝「昨日の行があるか」を見てなければメールを飛ばす。これで「処理が動かなかった日」を検知できます。GASだけで組めて費用ゼロ、記事が挙げる scheduled_for / status / metrics の考え方をそのまま列にすればよく、半日で動きます。3段目で、監視側も落ちる可能性を潰すために外部サービス(記事が例示している種類のもの)を検討します。ここで初めて月額が発生しますが、個人利用なら無料枠で足りることが多い領域です。記事の指摘のうち実務で一番効くのは「完了はしたが件数0件」を成功扱いしないことで、これは現場の日報集計で本当によく起きます。0件を正常とするか異常とするかは処理ごとに違うので、書き出した一覧に「0件が正常な日はあるか」の列を足してください。注意点は2つ。ひとつめは、報告の送信だけを再試行する設計にすること。処理全体を再実行すると二重転記が起きます。ふたつめは、監視通知の宛先を自分1人にしないこと。休暇中に止まったまま1週間、という事故がこの種の仕組みの典型的な負け方です。

TOPIC 10フィールド業務

東洋技研「MT1XR」——CC-Link IE TSN対応リモートI/O、コモン端子台内蔵で結線工数と盤スペースを削る

東洋技研の「MT1XRシリーズ」は、CC-Link IE TSN に対応したリモートI/Oターミナル。信号1点に対して±コモン端子台付きで、2線式/3線式センサが接続でき、外部にコモン端子台がいらず、1台で解決するため省スペース化と調達の手間を減らすことができる。ラインアップは32点タイプと16点混合タイプの2種類。結線はスプリング圧結線方式を採用し、フェルール端子や単線を差し込むだけで結線が完了するプッシュイン構造により配線作業時間を大幅に短縮できる。ネジ締めが不要なため振動による緩みがなく、メンテナンスフリーを実現している。電源端子台とI/O端子台はケーブルの色に合わせて配色されている。RJ45モジュラジャックを搭載し、スター型・ライン型・リング型のトポロジーに対応する。LED表示灯で電源・通信・入出力状態を確認でき、スイッチ操作で通信速度やアドレス設定が可能。DINレール取付に対応する。

情報源
オートメーション新聞 (2026/09/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

AIの話ではありませんが、盤設計の見積と現地工数に直接効くので、実利は今日の中でも高い部類です。最初の一歩は、直近に設計した盤1面の図面を開いて、リモートI/Oの外側に別途付けているコモン端子台が何列あるかを数えること。所要15分、費用ゼロ。3線式センサを多用する設備だと、I/O点数と同じだけの+とコモンが要るので、端子台がI/Oユニットより場所を食っていることが珍しくありません。この列数がそのまま、MT1XR のようなコモン端子台内蔵型に置き換えたときの削減幅の上限になります。次の段階は、工数側の試算です。プッシュイン構造は「差し込むだけ」なので、ネジ締めとの差は1点あたり数秒〜十数秒ですが、256点の盤なら1〜2時間の差になります。さらに効くのは増し締めが不要になる点で、出荷前検査と現地立会いの工程から増し締め作業を落とせるかを、自社の検査要領書と突き合わせて確認してください。3段目は、ネットワーク構成の見直しです。RJ45でスター/ライン/リングのトポロジーに対応するとあるので、いま集中配置しているI/Oを装置側へ分散できるなら、盤〜機側の多芯ケーブルをEthernet1本に置き換えられる可能性があります。ここは削減額が大きい代わりに、TSNのネットワーク設計(サイクルタイム、帯域、冗長)を詰める必要があるので、まず1装置での試験導入から。コスト感としては、リモートI/O本体はコモン端子台を別途買う構成と大きくは変わらない価格帯に収まることが多く、効いてくるのは端子台の調達点数と盤スペース、そして現地工数です。注意点は2つ。ひとつめは、自社標準が三菱系(CC-Link IE TSN)でない客先には提案できないこと。EtherNet/IP や PROFINET 指定の案件では別機種を探すことになります。ふたつめは、スプリング圧結線は電線サイズの許容範囲が製品ごとに決まっているので、現場で使う電線とフェルール端子の組み合わせが適合するかを、採用前に必ずカタログで確認することです。

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AIニュース

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「正規の経路」から悪性パッケージが出る——2026年のサプライチェーン攻撃とレジストリ対策の限界

2026年に入ってから、パッケージレジストリを狙ったソフトウェアサプライチェーン攻撃のニュースが多数あった。3月には axios や LiteLLM、4月には Bitwarden CLI、5月には TanStack、6月には Red Hat の namespace、8月には keyv。攻撃は正規の主体・経路を通じて行われている。Bitwarden CLI では攻撃者が GitHub Actions の公開経路に介入し、OIDC を使った publish 経路から悪性パッケージを公開して約93分間公開されていた。TanStack ではワークフローのキャッシュ汚染などを連鎖させた攻撃で、有効な Provenance 付きの悪性パッケージが確認された初の事例とされ、公開から20〜26分で外部からの報告が届いた。

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keyv ではメンテナの GitHub アカウントが侵害されたとみられ、攻撃者は main へ直接 push してから通常のリリースを回し、インストールスクリプトが npm トークンを盗んで約30分のうちに他のパッケージへ自己増殖した。レジストリ側は対策を積み重ねてきており、lockfile(2017年)、npm ci(2018年)、2FA(2018年以降、2022年から段階的に義務化)、Trusted Publishing(PyPI 2023年4月、npm 2025年7月)、Provenance(npm 2023年9月)、Cooldown(記事は7日程度、急ぐ場合でも3日程度の待機を推奨)、Staged Publishing(npm 2026年5月)、インストールスクリプトのデフォルト無効化(npm v12、2026年7月)、Classic token の無効化(2025年12月)と続く。それでも届く理由として、lockfile は固定したバージョンが最初から悪性なら効かないこと、2FA は正規に権限を得て入り込んだ相手には無力であること、Trusted Publishing と Provenance もリポジトリやワークフロー、メンテナのアカウントが侵害されればその正しいフローに則って悪性版が公開されてしまうことを挙げている。結論は、必要なのは公開されたもの自体を見分ける層と、どれか一つの層が破られたときに別の層で止まるような重ね方だ、というもの。

情報源
GMO Flatt Security Blog (2026/09/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

「自分はWeb開発者ではないから関係ない」と読み飛ばしたくなる話ですが、生成AIを業務に入れた時点で当事者になっています。Claude Code や Codex のようなコーディングエージェント、MCPサーバ、Pythonで書いた収集ツール、GASから呼ぶライブラリ——これらはすべて npm / PyPI からパッケージを引いてきます。しかも、AIエージェントは「必要そうなライブラリを勝手に入れる」ので、自分が承認していない依存が増えていきます。最初の一歩は、自分の手元で動いている自動化ツールについて、依存パッケージの一覧を出すこと。Node なら `npm ls --depth=0`、Python なら `pip list`。所要10分、費用ゼロ。名前も用途も思い出せないものが並んでいたら、それが攻撃対象面です。次の段階は、記事が推奨する2つの設定を入れることです。ひとつは lockfile を必ずコミットすること(`package-lock.json` / `requirements.txt` のバージョン固定)。もうひとつは cooldown で、記事は7日、急ぐ場合でも3日の待機を勧めています。npm なら `.npmrc` に設定を1行足すだけで、「公開直後の版は入れない」状態にできます。keyv の例で悪性版が30分で増殖し、TanStack では20〜26分で報告が届いたことを踏まえると、この数日の待機が実質的な防御になります。費用ゼロ、作業10分。3段目は、業務PCと実験環境の分離です。客先の図面や設計データが入っているPCで、AIエージェントに自由にパッケージを入れさせるのは、今回の事例に照らすとリスクが高い。試すなら別環境(別ユーザーアカウント、仮想マシン、あるいは専用の安いPC)で、というのが現実的な線引きです。注意点を2つ。ひとつめは、npm v12 でインストールスクリプトが既定で無効化されたことは朗報ですが、自分の環境がv12以降かは別問題なので `npm -v` で確認すること。ふたつめは、この記事が示しているのは「正規の経路でも悪性版は出る」という点なので、公式・有名パッケージだから安全という判断はもう成り立たないことです。最後の線引きは「万一そのPCの中身が抜かれても致命傷にならないか」に置いてください。

TOPIC 12AIニュース

「AI版静かな退職」——32%が生産性向上を雇用主に隠す

エンタメ系企業でPRやマーケティングに携わる20代男性のUさん(仮名)は、「AIで効率化しても、給料は増えないし仕事が詰め込まれて忙しくなるだけ。上司には黙っておいて、浮いた時間でこっそりサボる」と話す。Uさんの職場では数年前に生成AIの利用が認められ、業務資料も一部入力可能になった。Uさんは要約や資料作成などさまざまな業務をAIで効率化し、月10時間ほどの業務削減に成功したが、在宅勤務であることを生かして浮いた時間はマッチングアプリに充てているという。報告しない理由として「教えてもさらに仕事が増えるか、そうでなくてもノウハウ共有を求められるだけ」「評価制度上、仮にやったとしても自分の昇格や昇給にはつながりそうもない」を挙げ、自らの働き方を「AIの力で静かな退職をしているようなもの」と表現する。

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この傾向は調査にも表れており、米Ivantiが2025年に複数の国で実施した調査では、52%が「AIの支援を明かすと、期待していた業務負担がさらに増える」と懸念し、32%が「AIによる生産性向上を雇用主に隠す」と回答、特に若い世代で隠す傾向が顕著だった。隠す理由の最多は「秘密があることの優位性」を好むためで、同率2位に「仕事がなくなる」「雇用主がAI活用ポリシーを定めていない」「業務が増える」が並ぶ。Ivantiは「誰がAIによる生産性向上の恩恵を受けるかという点において、雇用主と従業員の間で奇妙かつ憂慮すべき緊張関係が存在する」とコメントしている。

情報源
ITmedia NEWS (2026/09/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

この記事は「サボる側」の話として読むと何も得られませんが、「自分の効率化をどう可視化して自分の利益にするか」の設計図として読むと実用的です。制御設計やフィールドエンジニアリングは、成果が装置の稼働という形で外に出る分、AIで浮かせた時間が見えにくい職種です。最初の一歩は、自分がAIで置き換えた作業を「作業名・従来の所要時間・現在の所要時間」の3列で記録し始めること。タグ表のチェックに2時間かかっていたのが20分、報告書の下書きが1時間から15分、といった粒度で構いません。スプレッドシート1枚、記録は1件30秒、費用ゼロ。これが3か月たまると、記事の調査が言う「隠す/隠さない」の前に、そもそも数字がないから交渉できない、という状態を抜けられます。次の段階は、浮いた時間の使い道を自分で先に決めることです。記事の事例が示しているのは、報告した結果として仕事が詰め込まれるという懸念ですが、これは「浮いた時間が空白として見えるから埋められる」構造でもあります。先に「この時間は過去トラブルの水平展開資料づくりに使う」「この時間は自分の標準ラダーライブラリの整備に充てる」と枠を取っておくと、埋められる前に自分の資産づくりに回せます。3段目は、共有の仕方の選択です。記事にあるとおり、ノウハウ共有を求められること自体が負担になるので、口頭で説明する形ではなく、プロンプトや手順をドキュメント1枚にして渡す形にしておくと、同じ説明を何度もしなくて済みます。コストはゼロ、効くのは自分の時間です。注意点を2つ。ひとつめは、記事が隠す理由として「雇用主がAI活用ポリシーを定めていない」を挙げている点で、これは裏を返すと、ポリシーがない状態で客先データをAIに入れると、後から問題になったときに個人の判断として責任が来るということです。効率化を隠すかどうか以前に、何を入れてよいかは会社に確認して記録を残しておくべきです。ふたつめは、この記事が示す不信の構造は自分が将来管理する側に回ったときにも出るので、「浮いた時間をどう配分するか」を先に決めた制度でないと、部下は同じことをするという前提で読んでおくことです。

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