AI × FA ダイジェスト FRIDAY

2026年11月6日

制御設計・フィールド業務・AIニュースの動きを、ひとつに。

THIS ISSUE08TOPICS / 全文無料
制御設計04フィールド業務02AIニュース02
A

制御設計

4 TOPICS
TOPIC 01制御設計

ロックウェルとシーメンスが相次いで発売、IEC 62443-4-2とEUサイバーレジリエンス法が製品紹介の前面へ

ロックウェル・オートメーションは、統合アーキテクチャ製品群の最新モデルとなる統合コントローラ「CompactLogix 5390コントローラ」を発売した。高性能化に加えて安全機能とサイバーセキュリティ機能を単一の制御プラットフォームに統合したコントローラで、IEC 62443-4-2準拠のセキュリティ機能とEUサイバー・レジリエンス法への対応を備え、厳格化するグローバルな法規制への適合と機械設計の簡素化が可能とされる。I/OモジュールのローカルPointMax I/Oに対応してモジュール構造のシステム構築が可能で、サイズは従来のCompactLogix 5380と比較して43%の小型化を実現し、制御盤内の設置スペース削減と機械設計の標準化に貢献するという。

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サーボドライブ「Kinetix」や可変周波数ドライブ「PowerFlex」、産業用スイッチ「Stratix」、PLCプログラミングソフト「FactoryTalk Design Studio」など同社の統合アーキテクチャ内でシームレスに連動し、制御、I/O、可視化、モーション、安全機能を包括的に提供することで、エンジニアリング工数の削減と立ち上げ時のリスク低減を図るとしている。一方シーメンスは、連続動作アプリケーション向けに統一された次世代ドライブプラットフォーム「Sinamics Gシリーズ」を発売した。設計段階からのセキュリティ、統合安全機能、デジタル統合による運用簡素化を基本原則に構築したとされ、EUサイバーレジリエンス法(CRA)に準拠し、IEC 62443-4-2のセキュリティレベル能力2(SL-C 2)までのサイバーセキュリティ機能を統合、安全度水準3(SIL3)までの機能安全に対応して人や機械、設備を保護するという。ラインアップは汎用産業向けの「Sinamics G200」、高電力密度と高過負荷耐性を備えた小型機械向けの「Sinamics G210C」、移動や位置決め向けの「Sinamics G210」、ポンプやファンなどインフラ設備向けの「Sinamics G210X」で、ハイエンドモデル「Sinamics G220」と合わせて共通プラットフォームに基づく製品群を完成させたとしている。さらにTIA Portalとの連携や統合WEBサーバー、イーサネットベースのOPC UA通信により、設計や試運転を効率化するとともに、ドライブデータを活用した状態監視や予知保全を支援するとされる。2記事はそれぞれ別製品の発表だが、いずれもIEC 62443-4-2とEUサイバーレジリエンス法を製品の特長として挙げている。

情報源
オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む オートメーション新聞WEB (2026/11/06) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

最初の一歩は、自分が今関わっている案件の仕様書・見積書を1件開いて、「セキュリティ」という語が何回出てくるかを数えること。おそらくゼロか、ネットワーク分離の1行だけだと思う。この2製品が示しているのは、コントローラやドライブを選ぶ段階で規格名が付いてくる時代になったということで、選定理由の説明責任が設計者側に移ってきている。次の段階は、手持ちの機種リスト(PLC・ドライブ・HMI・産業用スイッチ)を1枚の表にして、「IEC 62443-4-2への言及があるか」の列を1本足すこと。メーカーのカタログかニュースリリースを見るだけなので半日で埋まり、客先から「この盤はCRAに関係しますか」と聞かれた時に、調べ直さずに答えられる状態になる。もう一段進めるなら、CompactLogix 5380から5390への43%小型化という数字を、自分の盤図で実際に効く話に落としてみる。盤内レイアウト図でコントローラの占有幅が何mm減り、その分を端子台や予備スペースに回せるかを1枚描けば、「新機種が出た」で終わらず盤サイズの1ランクダウンという具体的な提案になる。コスト感は3段構え。規格名の棚卸しと盤図の試算は無料で今週できる。実機評価はコントローラ単体で十数万円〜数十万円規模、ドライブは容量次第なのでメーカー見積が必要。欧州向け設備として適合証明まで求められる案件は、技術文書の整備も含めて別途の工数として積む話になる。注意点は3つ。ひとつは、記事に書かれているのは製品側の機能や準拠であって、その製品を使った設備全体の適合が保証されるわけではないこと(ネットワーク構成や運用手順は自分たちの責任範囲に残る)。ふたつめは、シーメンス側のSL-C 2は「セキュリティレベル能力2まで」という書き方なので、客先が求める水準がそれ以上なら構成を別に考える必要がある点。みっつめは、どちらも発売されたばかりなので、既存プロジェクトからの流用部品やアドオン命令、既存のプログラムがそのまま載るかどうかは、代理店に確認してから提案に載せること。

TOPIC 02制御設計

安全・セーフティ特集に4社分が同日付で並ぶ——分散型セーフティI/Oとセーフティコントローラ

オートメーション新聞WEBの「安全・セーフティ特集」に、2026年11月5日付で安全機器4製品の記事が並んだ。ピルツのIO-Link Safetyマスタ「PDP67」は、上位の安全コントローラに対する分散型インタフェースとして機能し、IO-Link Safety対応の安全センサや一般のIO-Linkセンサ、アクチュエータなどを接続できる。最高レベルのカテゴリPLeとSIL3に対応し、4つのIO-Link Safetyポート(クラスA)に加え、コンフィグレーション可能な安全デジタル入出力を備えた4つのポートを搭載、OSSD出力を用いる従来型の安全センサやアクチュエータも現場レベルで接続できる。

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標準化されたM12プラグイン接続によるプラグアンドプレイで配線作業を軽減し、制御盤への入力配線全体を置き換えることで盤内のスペース削減と迅速な稼働に貢献するとしている。Pepperl+Fuchs(ピーアンドエフ)の新型セーフティI/Oモジュールは、「PROFIsafe」対応モデルと「CIP Safety」対応モデルの2種類を展開し、1台のI/Oモジュールに、SIL 3およびPL eに準拠した安全入出力と2つの標準IO-Linkポートを搭載する。これによりロボットセルや搬送システム、CNC工作機械などの安全装置と、標準的なセンサやアクチュエータの信号を単一のデバイスで集約でき、配線工数を大幅に削減できるという。筐体は溶接スパッタに強い亜鉛ダイカストで保護等級IP67/IP69K、マイナス40℃からプラス70℃で作動し、OPC UAやMQTTをサポートするIIoT対応機能により制御層を介さずエッジからクラウドへ直接データを送信できるとしている。TURCK(ターク・ジャパン)の「TBEN-LL-4FDI-4FDX」は、中央制御盤を必要としない柔軟な分散型セーフティ制御を実現するセーフティブロック型I/Oモジュールで、独自のセーフティプロトコル「Safe Link」と組み合わせることで分散設置が可能になる。安全入出力を備えてモジュール単体でセーフティロジックを実行できるためPLCなしでの運用が可能で、EtherNet/IP、PROFINET、Modbus TCPのマルチプロトコルに対応、1つのアプリケーション内で最大31台のモジュールを接続でき、127バイトの診断情報を提供する。SICK(ジック)の「Flexi Net」は、PL eまで対応する高性能セーフティコントローラで、CPUを拡張してモジュールを最大12個追加したり、生産ラインの複数の機械をネットワーク接続したりできる。ロジックで最大512個の機能ブロックを構成可能、サイクルタイムは4ms、ファストシャットオフの応答時間は4.5msと短く、安全距離の短縮に貢献するとしている。

情報源
オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

最初の一歩は、直近に納めた設備1台の盤図を開いて、安全回路の入力が何点で、そのうち何本が盤まで引かれているかを数えること。非常停止、安全扉スイッチ、ライトカーテン、エリアセンサ、ロック付きインタロック——この本数がそのまま、分散型I/Oで現場側に寄せられる候補の上限になる。4製品はいずれも「現場側で安全信号を受ける」方向の製品なので、自分の設備で何本が対象になるか分からないと、どれを検討すべきかも決まらない。次の段階は、その本数を2つの構成で見積り比較すること。(A) 従来どおり安全リレー/安全PLC+盤内安全I/Oで全点を盤に集める構成、(B) 現場にセーフティI/Oを置いて安全ネットワーク1本で盤につなぐ構成。比べるのは機器代だけでなく、ケーブル本数×長さ、ダクト・電線管、盤サイズ、配線工数、現場での誤配線リスクの5項目。ピルツの記事にある「制御盤への入力配線全体を置き換える」、TURCKの「中央制御盤を必要としない」という書き方は、まさにこの比較の話をしている。もう一段進めるなら、安全ネットワークの種別を自社の標準として決めてしまうこと。Pepperl+FuchsはPROFIsafe版とCIP Safety版の2本立てなので、上位PLCがどちらの系かで選ぶモデルが変わる。三菱系・キーエンス系・Rockwell系・Siemens系のどれを主戦場にするかで、分散安全I/Oの採用可否が決まるので、ここを曖昧にしたまま個別案件で選ぶと在庫も教育も分散する。コスト感は、比較表づくりは無料で1日。試験導入はI/Oモジュール1〜数台とマスタで十数万円〜数十万円規模、安全コントローラまで入れ替える場合は盤設計のやり直しを含むので案件単位で数十万円以上を見込む。注意点は4つ。ひとつは、記事に書かれた安全度(PLeやSIL 3、PL e)は製品の対応水準なので、自分の設備に必要な水準はリスクアセスメントの結果から決めること。ふたつめは、TURCKの「PLCなしでの運用が可能」は小規模から中規模の設備要件に特化した製品の話なので、大規模ラインの集中安全をそのまま置き換える前提にしないこと。みっつめは、SICKのサイクルタイム4ms/ファストシャットオフ4.5msという数字は安全距離計算に直接入る値なので、転記ミスをすると安全柵の位置が変わる。必ずメーカーの仕様書で裏を取って計算に使う。よっつめは、分散すると現場での診断が主役になるので、ピルツやPepperl+Fuchsが挙げているWEBサーバやIIoT機能を「誰がどこから見るか」まで決めておかないと、故障時にかえって切り分けが遅くなる。

TOPIC 03制御設計

PLC専用AIを使う前に設計するもの——「記録を始める場所」と、AI生成ラダーのレビュー

@shin_debug_ai が、日本時間11月5日19:33の投稿で、異常は記録できているのにAIが示す候補が毎回「結果」に見える状況について、解析性能より先に「記録を始める場所」を疑いたいと書いている。投稿者は、キーエンスがPLC専用AI「KV Intelligence」を発表し、ドライブレコーダの履歴から正常時との差を比較できるとした上で、最終アラームをトリガにすると原因信号はすでに消えていることがあると指摘する。例に挙げているのはシリンダ前進タイムアウトで、見るのは前進指令、後退端、ワーク有無、前進端の四つ、記録はタイムアウト発生時からではなくその数秒前を含める、比較する正常サイクルも同じ品種・同じ運転モードにそろえる、という3点を挙げている。

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タイムアウト後だけを見ると、前進出力OFF、インターロック解除、異常処理開始という「止めた結果」ばかりが残り、センサ、空圧、機械抵抗、PLC条件のどこから疑うか決めにくいという。逆に、指令より先に後退端が抜けた、指令後も後退端が残った、前進端が一瞬入って消えた、と分かれば次に見る場所が変わり、リトライ前の状態を残せれば再現待ちもしなくて済むとしている。同じ投稿者は日本時間11月5日23:20の投稿で、停止原因の解析、ラダー生成、既存プログラムの要約まで行うPLC専用AI製品が具体化してきたとし、初めて見る装置で「この出力は何条件か」「正常時と異常時でどのI/Oが違うか」を探す時間はかなり減りそうだと書いている。ただしAIが作ったラダーを既存セクションへそのまま入れるのは怖いとして、「原点復帰後に指定位置へ移動」と指示しても、扉閉、相手機構退避、ワーク保持、サーボREADY、途中停止からの再開条件まで文章に書かなければ抜ける可能性があると述べる。扱い方として、生成回路はまず別領域へ置き、出力コイル重複、SET解除、タイマリセット、通信タイムアウト、品種切替時のデータクリアを確認すること、試験は正常動作だけでは足りず、移動中にREADYが落ちた、Busy中に通信断、異常リセット時に軸が中間位置、レシピ変更中に始動要求といった場面で出力がどうなりどこから復帰するかまで試すことを挙げている。結びは、AIで速く作れるほど確認せず現場へ入る速度も上がるため、これから重要になるのはラダーを書く速さより、AIの変更を止め、比べ、試し、人が承認するレビュー設計だという見解。

情報源
X @shin_debug_ai (2026/11/05) / 出典を読む X @shin_debug_ai (2026/11/05) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

最初の一歩は、自分が担当している設備で一番よく出るアラームを1つ選び、そのアラームが立つ瞬間に何が記録されているかを確認すること。多くの設備はアラームビットと時刻だけで、その直前の入力状態は残っていない。ここが投稿の「記録を始める場所」の話で、AIを入れる前の問題として自分の設備にもある。次の段階は、そのアラーム1つ分だけ記録窓を作ること。やり方は難しくない。GX Worksなら、関係するデバイス4〜6点(例のシリンダなら前進指令・後退端・前進端・ワーク有無)を1ワードにまとめ、100ms周期で30〜50ワードのリングバッファに常時書き込み、アラームで書き込みを止める。タイムアウト成立時にはすでに原因が消えているから、記録を止めるのはアラーム時でよく、記録を始めるのは常時にしておくのがコツ。これで異常の数秒前が残る。半日の改造で入り、追加費用はPLCの空きデバイスだけ。もう一段進めるなら、比較用の「正常サイクル」を品種ごとに1本だけ保存しておく。投稿が書いているとおり、同じ品種・同じ運転モードの正常波形がないと差分が意味を持たない。品種切替のタイミングで、正常完了したサイクルのリングバッファを別エリアにコピーするだけでよい。AI以前に、人が見ても原因が分かるようになる。AI生成ラダー側の話は、今すぐ使える形に落とすなら社内のレビュー項目表を1枚作ること。投稿が挙げている「出力コイル重複」「SET解除」「タイマリセット」「通信タイムアウト」「品種切替時のデータクリア」の5項目と、異常系の試験4パターン(移動中にREADYが落ちる/Busy中に通信断/異常リセット時に軸が中間位置/レシピ変更中に始動要求)をそのままチェックリストにすれば、AIを使う・使わないに関係なく自分や後輩が書いた回路の検収にも効く。コストはゼロ。注意点は3つ。ひとつは、リングバッファの周期を細かくしすぎるとスキャンタイムを食うので、まず100ms・数十点から始めて実測すること。ふたつめは、記録した波形を客先外に出す場合、設備の稼働データとして扱いが決まっていることがあるので、AIに読ませる前に持ち出し可否を確認すること。みっつめは、生成回路を別領域に置くという扱いは、既存プログラムと同じPLC内でも「書き込み先セクションを分ける」運用ルールが必要になるので、プロジェクト構成の決め方として最初に決めておくこと。

TOPIC 04制御設計

clasp本体にMCPモードが入った後、自作MCPに残したのは「pushの前に止める仕組み」

AIエージェントにGoogle Apps Script(GAS)を開発させる取り組みの第4回として、clasp本体にMCPモード(`clasp mcp`)が入ったことを受け、自作のMCPサーバー(gas-manager-mcp)に何を残すかを整理した記事が公開された。筆者によると、2026年11月時点のclasp 3.3.0のMCPモードは実験的な機能(EXPERIMENTAL)で、`push_files`、`pull_files`、`create_project`、`clone_project`、`list_projects`の5つのツールがある。claspはGoogleのGitHub組織で公開されているツールだが、READMEの冒頭には「Googleの公式サポート対象の製品ではない」と明記されているため、記事では「clasp本体」と呼んでいる。

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一本化する前の検証として、Qiitaの記事統計を毎日スプレッドシートに記録している実プロジェクトで動かし直したところ、3つの問題が出た。1つ目は、クラウド側にあった`Webhook.js`が`push`で消えかけたこと。ローカルの`.claspignore`が`**/**`で全除外し`!qiita_stats_v2.js`と`!appsscript.json`だけを戻す設定だったため`Webhook.js`はpush対象から外れており、`clasp push`はローカルの対象ファイル一式でクラウド側を置き換えるので、送信されていればクラウドのHEADから消えていたという。今回はclaspが「Script is already up to date」と判定して送信しなかったため削除は起きず、筆者は「防げたのは偶然です」と書いている。2つ目は自作の検証機能が「未定義の呼び出し: 1件」のような件数だけを返しており、ファイル名・行番号・何が足りないかを含んでいなかったこと。3つ目は自作の引数チェックが、`setProperty(f(a, b))`のように引数の中に関数呼び出しがある場合に1引数を2つと数えて見逃していたこと。clasp 3.3.0の`push_files`は中身を検証せずにpushを実行する代わりに、破壊的な操作であることを示す注釈(`destructiveHint: true`)が付いており、記事はこれを「危ない操作であることをクライアントに伝え、実行するかどうかは人が決める」設計だと整理している。結論として、プロジェクトの作成・複製・一覧はclasp本体に任せ、自作側にはpush前の検査付きpush、本番フォルダのガード付きpull、ローカルのエミュレータ、`run`/`logs`/`deploy`などを残す棲み分けにしたという。実装面では、push前にApps Script APIの`projects.getContent`でクラウド上のファイル一覧を取得し、`clasp status --json`の`filesToPush`と比べてクラウドにしかないファイルがあればpushを止める(認証情報が読めない、API呼び出しに失敗したなどで確認できない場合も止める)、実行前のコード検査を警告ではなくエラーとして返す、本番として指定したフォルダへの操作を`{ allowProtected: true }`がなければ拒否し`fs.realpathSync`で実体パスに直して比較する、エミュレータの関数呼び出しを`vm.runInContext`経由にして5000msで打ち切る、といった点が挙げられている。代償として、実環境での計測(3回の平均)では`clasp push`単体の2.88秒に対し`gas_push`は4.55秒(差分+1.67秒)だったとしている。また、両方のMCPサーバーを入れるとAIがclasp本体の`push_files`を選んで自作のチェックを素通りするため、Claude Codeでは`.claude/settings.local.json`の`permissions.deny`に`mcp__clasp__push_files`と`mcp__clasp__pull_files`を指定してブロックし、ツール単位のブロック機能がないクライアントではclasp本体のMCPサーバーを最初から登録しない運用を推奨するとしている。

情報源
Qiita (2026/11/05) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

GASをAIに書かせている人向けの記事に見えるが、効くのは「約束ではなく仕組みで止める」という考え方そのもので、これは制御設計者にとってはインタロックの話と同じ。最初の一歩は、自分が普段AIに触らせている作業の中で、「一方向に上書きする操作」を1つ探すこと。スプレッドシートの帳票テンプレートの更新、共有フォルダの図面置き換え、GASの本番スクリプトの更新——どれもclasp pushと同じ構造で、ローカルにないものが相手側から消える。見つけたら、その操作の直前に「相手側の一覧を取って、ローカルにないファイルがあれば止める」を1手だけ挟む。GASならDriveApp/SpreadsheetAppでファイル名の一覧を取って比較するだけで、20〜30行で書ける。次の段階は、本番と検証のフォルダを物理的に分け、本番側を「明示しない限り触らない」ルールにすること。記事の`GAS_PROTECTED_DIRS`と同じ発想で、環境変数まで作らなくても、本番フォルダを別アカウント所有にするか、AIに渡す認証を検証用プロジェクトだけに絞れば同じ効果が出る。自分の運用なら1時間で終わる。もう一段進めるなら、AIの出力を「警告」で返さず「エラー」で止める形に変えること。記事が指摘しているのは、エミュレータが警告を返しても結果がsuccessのままならAIはそのままpushに進む、という点で、これはAIに限らず自動化全般に当てはまる。点検記録の自動集計でも、「値が欠けている行があります(警告)」ではなく「欠けていたら処理を止める」に変えるだけで、間違った集計が下流に流れなくなる。コストは全部無料枠で完結する。LLM側の課金も、止める仕組み自体はコードなのでAIを呼ばない。注意点は4つ。ひとつは、clasp 3.3.0のMCPモードは記事の時点で実験的な機能なので、仕様が変わる前提で自分の環境に取り込むこと。ふたつめは、claspがGoogleの公式サポート対象ではないと記事が明記している点で、業務の基幹に据えるなら代替手段を持っておく。みっつめは、安全側に止めると遅くなるという代償(記事では+1.67秒)を最初から受け入れておくこと。待ち時間を嫌って止める仕組みを外すのが一番危ない。よっつめは、記事自身が触れているように、シェル実行権限を持つエージェントはガードを通さずに直接コマンドを実行できる余地が残るので、「MCP側で止めたから安全」と考えないこと。

B

フィールド業務

2 TOPICS
TOPIC 05フィールド業務

38年前のOmron C60Kを生き返らせる途中報告——転送はまだ通らず、初めて書いたラダーで暖房と冷房を動かした

r/PLCに、38年前のOmron C60Kを復活させようとしている作業の経過報告が投稿された。投稿者は、来年には更新を検討しているが、それまでの数カ月、少なくともクリスマスシーズンが終わるまではこのユニットが動く必要があると書いている。最初に行き詰まったのは、同じ型の動作しているユニットからプログラムを読み出す作業で、投稿者は指示の読み方を間違えていたと気づいたうえで、ようやく成功したと書いている。読み出したプログラムは現在、ノートPC上に`.wav`ファイルとして保存されている(投稿者自身が「ridiculous, right?」と書いている)。次の段階として、保存したファイルを動かないPLCへ書き込もうとしているが、再生音量、ケーブルの種類、再生のタイミングについて思いつく組み合わせをすべて試しても、投稿時点ではまだ成功していない。

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同僚が昔のテープデッキを持ち込んでくれたので、翌日の成功に期待していると書かれている。並行して投稿者は、この動かないPLCに回復不能なハードウェア故障があるのかどうか自体が分からず、それでは作業全体が無駄になると考えて、確かめることにしたという。マニュアルを読み込んで、ボタンを押したらファンが回るだけのコードを自力で書けるところまで学び、それが動いた。そこからさらに1日かけてコードの書き方を学び(投稿者はその前日まで一度もコードを書いたことがないと述べている)、寒ければ暖房を入れ、暑ければ冷房を入れる大幅に簡略化したコードを書き上げ、必要な安全停止のトリガもすべて含めたとしている。収集した本文はこの後で途切れている。

情報源
r/PLC weekly top / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

この投稿から持ち帰るべきは根性話ではなく、「転送が通らないうちに、本体が生きているかを別の方法で確かめた」という順番の作り方。最初の一歩は、自分が抱えている旧型機の案件で、同じ切り分けを用意すること。プログラム転送やソフトの互換で止まっているとき、まず最小のラダー(入力1点→出力1点、たとえば押しボタンで表示灯)を直接打ち込んで動かす。これでCPU・電源・I/O・書き込み経路のどこまでが生きているかが分かり、「本体が死んでいるかもしれない」という最大の不安が消える。所要30分で、以後の判断が全部速くなる。次の段階は、旧型機を預かる時点でのバックアップ手順を自分の標準として文書化すること。投稿のように同型の稼働機から読み出せるなら、それは止まる前にやっておく作業で、稼働機のプログラムは預かった当日に読み出して2箇所に保存する。媒体の形式(この案件では`.wav`)とそれを再生できる機材の在りかまでメモに残すのが要点で、機材が社内に残っていないと数カ月後に同じところで詰まる。もう一段進めるなら、延命と更新を同じ提案書に並べること。投稿者は「来年更新、それまでの数カ月は動かす必要がある」という状況にいて、これは客先でも非常によくある。延命側(部品確保・バックアップ・予備機)と更新側(新PLCへの移植・試運転・教育)を同じ紙に並べ、延命に投じる費用がいつ更新費用を超えるかを示すと、客先が決断しやすくなる。コスト感は、最小ラダーでの生存確認と手順の文書化は無料。旧型機の予備品確保は中古市場に依存するので台数×数万円〜十数万円を見込み、更新は制御盤の作り直しを含めて案件単位で数十万円以上。注意点は3つ。ひとつは、投稿者が最後に「必要な安全停止のトリガもすべて含めた」と書いているのは簡略版コードについての本人の記述であって、第三者がリスクアセスメントで妥当性を確認したものではないこと。簡略化した暫定プログラムで装置を動かす判断は、客先と書面で合意してからにする。ふたつめは、簡略版で動かしている期間は「本来の制御仕様と違うもので動いている」状態なので、どの機能を落としたかを一覧にして現場に貼ること。みっつめは、音声ファイルによる転送のような旧世代の手段は再生環境の個体差で通る/通らないが変わるので、成功した組み合わせ(機材・音量・ケーブル)を必ず記録しておくこと。次回も同じ手順で通る保証はこの記録しかない。

TOPIC 06フィールド業務

村田製作所の予知保全向け振動センサ「PKGM-210D-R」——可聴域上限の20kHzまで検知

村田製作所の「PKGM-210D-R」は、可聴域上限である20kHzまでの高周波領域を検知可能なSMD(表面実装)タイプの予知保全向け振動センサデバイス。記事は背景として、回転機械のベアリングやモーターでは、故障が深刻化する前段階として20kHz付近で微細な異常振動が発生するが、高周波領域を含めた広帯域での測定は機器からの不要な振動・ノイズの影響を受けやすく、安定的に高周波領域まで広帯域で測定可能な振動センサが限られていたと説明している。これに対し同製品は、圧電セラミック技術と回路パッケージング技術を融合させることで可聴域の上限である20kHzまでの振動検知を実現し、従来は熟練技術者の聴覚検査に頼っていた高周波領域の検知をデジタルで可能にしたという。

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これにより設備トラブルの早期予知、ダウンタイムの低減、保全時期の最適化による部品の長寿命化に貢献するとしている。製品サイズは5.0×5.0×3.5mmと小型で、既存設備への後付けやモーター部品への直接組み込みが容易。温度センサも内蔵しており、振動と同時に異常発熱の検出も可能。出力方式は汎用性の高いシングルアナログ出力を採用し、電源電圧は3.0から5.2Vに対応する。

情報源
オートメーション新聞WEB (2026/11/05) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

最初の一歩は、客先設備の中で「ベテランが音で判断している箇所」を1つ特定すること。ポンプ、ブロワ、搬送コンベヤの減速機、スピンドル——点検表に「異音なし」とだけ書かれている箇所は、まさにこの記事が言う「熟練技術者の聴覚検査」が残っているところで、担当者が変わった瞬間に判定がぶれる。ここが置き換えの第一候補になる。次の段階は、その1箇所で「今の音」を数字にしておくこと。センサを調達する前でも、スマートフォンの録音とFFTアプリで数週間おきに同条件(同じ回転数・同じ負荷・同じ位置)で測り続ければ、傾向管理の型が先に作れる。ただしこの記事の要点は20kHzという帯域で、一般的なスマートフォンのマイクでは上限が足りないので、あくまで「傾向を見る運用を回せるか」の練習として使い、最終判定はセンサの仕様で決める。もう一段進めるなら、出力方式がシングルアナログ出力であることを活かして、既存のPLCに直接つなぐ構成を1案描いてみる。電源電圧3.0〜5.2VなのでPLCの24Vから降圧が必要で、アナログ入力ユニットの空きチャンネルに入れて移動平均とピーク値を内部レジスタに溜め、日次で最大値をCSVに落とす。これで専用の振動診断システムを買わずに傾向管理が始められる。温度センサ内蔵なので、振動と温度を同じタイミングで記録すれば「発熱が先か振動が先か」も見える。コスト感は、録音による傾向管理の練習は無料。センサはSMDタイプなので実装基板の設計・製作が必要で、評価用の小基板を外注すると数万円〜十数万円規模、PLC側はアナログ入力ユニットの空きがあれば追加費用はほぼゼロ。既製の振動診断システムを買う案と比べる材料として、この自作案の見積を持っておくと交渉に強い。注意点は4つ。ひとつは、SMDタイプなので「後付けが容易」と書かれていても、基板への実装と筐体・取付治具は自分たちで用意する必要があること。既製の無線振動センサのように貼るだけでは済まない。ふたつめは、記事が20kHz付近の微細な異常振動に触れているのはベアリングやモーターの話なので、対象機器がそれ以外(たとえばギヤの噛み合い周波数が低い減速機)なら狙う帯域が変わる。みっつめは、取付位置と締結の剛性で高周波の伝達が大きく変わるため、同じ位置・同じトルクで付け続ける運用ルールがないと傾向管理が成立しないこと。よっつめは、記事に書かれているのは検知できる帯域と製品仕様であって、どの振動値になったら交換すべきかという判定しきい値は書かれていないので、しきい値は自分の設備で正常データを集めてから決めること。

C

AIニュース

2 TOPICS
TOPIC 07AIニュース

コードを一切読まずに作ったダッシュボードで、「1日に使ったトークン」の数え方が画面ごとに2通りあった

Nexta Tech Blogのbik氏が、Claude Codeのセッションを1枚で見るダッシュボードを「コードは一切読まない」と決めて作った経験と、そこで見つかった不具合について書いている。筆者はClaude CodeのセッションをVSCodeの拡張機能で5つほど並べて使っているが、パネルの見出しが短く5枚並べるとどれが何をしているのか分からなくなり、使用枠の残りも気になったため、動いているセッションの状態、その日の作業履歴、使用枠の推移、引き継ぎ台帳、過去の会話の検索、毎朝の「今日やること」までを1画面に入れたダッシュボードを自分用に作った。画面の動きだけを見て「こう動いてほしい」と伝えて直させることを繰り返し、初期版は1週間ほどで固まり、1か月足らずでほぼ今の形になり、コードは約12,000行あるという。

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記事を書く前にClaudeへ「同じ数字なのに、画面ごとに取り方が違うところはまだあるか」と調べさせたところ、「1日に使ったトークン」の数え方が画面によって2通りあることが見つかった。使用枠の推移の画面はサブエージェントが使った分を親のセッションに足して数えているが、作業履歴とセッションカレンダーは親のセッションの記録だけを数えていた。筆者が載せた表(単位は百万トークン、1日の始まりは7時)では、10/26が使用枠の推移350.7に対し作業履歴は271.4(-23%)、10/30が817.4に対し675.6(-17%)、10/31が1270.2に対し1267.2(-0.2%)で、サブエージェントをよく使った日ほど作業履歴の数字が小さく出ていた。直した後は2つの画面の数字がどの日も一致したという。経緯を遡ると、使用枠の推移の画面を作った日にClaudeは「これまでの5時間枠の按分は、サブエージェントの消費を1つも数えていませんでした。(中略)8.8倍の過小評価でした。今回から親に合算しています」と報告しており、同じ報告の中で作業履歴の画面にも手を入れたと書いていながら、作業履歴のトークンの数え方には一言も触れていなかった。10日後のリファクタリングでは作業履歴とセッション一覧の組み立てを1つにまとめたが、確かめ方が「直す前と後で、画面のデータが一致するか」だったため、元からあったずれも一致して通ってしまったと書かれている。筆者はダッシュボードを触った48本のセッションの記録を調べ、「分かっていて、後回しにする」「見ていないのに、言い切る」「言葉の意味が、人の想定と違う」の3つの型に分かれたとし、型ごとにCLAUDE.mdへ決まりを足したという(判断してほしいことは回答の決まった見出しの下に書く/「無い」と書く前に探し方を2通り以上変え、「ある」「同じ」と書く前にも確かめた実物を1つ挙げられなければ「未確認」と書く/数字を出すときは何を数えたかを一緒に書く)。結びでは、しっかりしたプロダクトなら自分なら次の3か所を読むとして、同じ数字を複数の画面で出している箇所、AIが回答の途中で「外す」「別の作業として」と書いた箇所、リファクタリングの確かめ方を挙げている。

情報源
Zenn (2026/11/04) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

この記事はWeb開発の話だが、刺さるのは「同じ数字を2か所で別々に数えていた」という症状で、これは制御設計でも帳票でも同じ形で出る。最初の一歩は、自分が作った仕組みの中で「同じ値を2画面以上に出している箇所」を探すこと。生産数をHMIのトップ画面と日報帳票の両方に出している、稼働率を月報とダッシュボードの両方で出している、ワーク通過数をPLCのカウンタと上位の集計の両方で持っている——どれも該当する。見つけたら、両方の数字を同じ日・同じ時間帯で並べて突き合わせる。これだけで、数え方が違っていればその場で分かる。所要1時間。次の段階は、合わない箇所を「数える処理を1つにして両方から呼ぶ」形に直すこと。PLCなら集計サブルーチンを1本にしてどちらの表示もそのレジスタを読む、GASなら集計関数を1つにして帳票とダッシュボードの両方がそれを呼ぶ。記事が「人が作るなら、同じ『使ったトークン』を2か所で別々に数えることはまずしない」と書いているとおり、分かれている状態そのものが不具合の温床になる。もう一段進めるなら、リファクタリングの検収方法を変えること。記事の一番怖い部分は、「直す前と後で一致するか」を確認方法にしたために、元からあったずれがそのまま通ってしまった点。自分の仕事に当てると、既存プログラムを整理した時に「前と同じ動きになったからOK」とすると、元からあった間違いも承認してしまう。整理した時は、前との一致ではなく仕様書(または実測値)と突き合わせる、というルールにしておく。AIに作業を頼むときの実務ルールとしては、記事が足した3つの決まりをそのまま借りるのが早い。とくに「数字を出すときは何を数えたか(どこからどこまで・何を除いたか)を一緒に書く」は、AIに不具合件数や稼働率を集計させる場面でそのまま効く。コストはすべて無料で、必要なのは突き合わせの時間だけ。注意点は3つ。ひとつは、記事の筆者が48本のセッションを調べて見つけた型は、この筆者の環境・使い方での観察であって、AI一般の性質として断定されているわけではないこと。ふたつめは、筆者自身が「聞き方が違えば『ありません』と返ってきたかもしれない(これは確かめていない)」と書いているとおり、AIに自己点検させて出てこなかったことを「問題がない」とは読めないこと。みっつめは、筆者が「個人のツールなら割り切れるが、しっかりしたプロダクトなら話は別」と線を引いている点で、客先設備の制御や帳票は後者なので、同じ割り切りを持ち込まないこと。

TOPIC 08AIニュース

PFNが翻訳特化LLM「PLaMo 3 Translate」をオープンウェイト公開、0.8B〜31Bの4サイズをエッジで動かせる

株式会社Preferred Networks(PFN)は2026年11月5日、AI翻訳サービス「PLaMo翻訳」で利用している翻訳特化型の大規模言語モデル(LLM)PLaMo 3 Translateを、オープンウェイトモデルとしてPFNのHugging Faceページで公開した。リリースによると、直近事業年度の収入または売上が10億円以下の企業および個人は、PLaMoコミュニティライセンスのもとでモデルをダウンロードし、商用・非商用にかかわらずスマートフォン、ノートパソコン、社内サーバーなどのエッジでクラウドを介さずに無償利用できる(この条件については11月5日11時45分に「10億円未満」から「10億円以下」への訂正が出ている)。

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PLaMo 3 Translateは各ユーザーの機器内で動かすために必要な「モデル重み」を公開したオープンウェイトモデルで、求める翻訳品質や速さ、処理量、使う機器に合わせて0.8B(8億パラメータ)、2B、8B、31Bの4サイズから選択できる。各端末機器向けのアプリケーションに組み込むことで、スマートフォンやノートパソコン上で日本語・英語を含む53言語の翻訳が可能で、ネット接続がなくても高速に動作するとしている。特長として挙げられているのは4点。PFNの比較評価では最小モデルでも既存の翻訳特化型LLMであるGoogleのTranslateGemmaとTencentのHy-MT2を上回るスコアを記録したこと(自社ベンチマークを含むPFNの評価に基づく)、4サイズを機器や処理量に応じて選べること、自社が管理するサーバーや端末でモデルを動かせば原文や訳文を外部のサーバに送ることなく翻訳処理を社内で完結でき、外部への情報送信が制限される契約書や研究開発資料、顧客対応の文書も自社の情報管理方針に沿って翻訳できること、そして原文の前後の文脈を参考情報として与え、用語集で固有名詞や専門用語、製品名の対訳を指定することで出力をカスタマイズでき、日本語への翻訳では敬体(です・ます調)と常体(だ・である調)を指定できることである。公開モデルはHugging Faceで`plamo-3-translate-0.8b`、`plamo-3-translate-2b`、`plamo-3-translate-8b`、`plamo-3-translate-31b`として入手でき、社内業務での利用や自社製品・サービスへの組み込みなどの商用利用はPLaMoコミュニティライセンスに定める範囲で可能、この範囲を超える商用利用にはPFNとの商用ライセンス契約が必要とされる。なおPLaMo 3 Translateは、PFNと国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)との共同研究で得られた事前学習モデル「PLaMo 3 NICT」を基盤として、PFNが開発した翻訳特化型モデルである。

情報源
Preferred Networks (2026/11/05) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

制御設計・フィールドエンジニアリングで翻訳が要る場面は、海外メーカーのマニュアル、エラーコード一覧、安全規格の原文、客先が海外親会社に出す報告書——どれも「社外のクラウドに貼りたくない」側の文書なので、エッジで動くことに実利がある。最初の一歩は、自分の業務で翻訳したい文書を3種類挙げ、それぞれ「クラウドに貼ってよいか」を分類すること。公開済みのカタログならオンライン翻訳でよく、客先図面に付いた注記や社内の不具合報告は駄目。この線引きが先にないと、どのサイズのモデルが必要かも決まらない。次の段階は、最小の0.8Bを自分のノートPCに入れて、実際に扱う文書で品質と速さを確かめること。リリースも「手元のパソコンやスマートフォンで、実際に扱う文書の翻訳品質や速さを確かめながら自社への導入が検討可能」と書いており、PFNの比較評価は自社ベンチマークを含む評価なので、自分の文書で確かめるのが筋。試すだけならHugging Faceからのダウンロードと手元のPCだけで費用はかからない(コミュニティライセンスの条件に自分が当てはまるかは要確認)。もう一段進めるなら、用語集機能を自社の資産にすること。固有名詞・専門用語・製品名の対訳を指定できるので、型番、信号名、機構部品名、客先の呼び方を1つのCSVにまとめて使い回せば、翻訳のばらつきが減る。ラダーのコメントやI/O名の英訳が案件ごとに違う問題は、この用語集で解ける。敬体・常体の指定があるので、客先向け報告書は敬体、社内メモは常体と使い分ければそのまま使える文章になる。コスト感は3段。試用は無料。社内サーバーで常用するなら8Bや31Bが動くGPU環境が必要で、既存のPCで足りなければ数十万円規模の投資。売上規模や使い方がコミュニティライセンスの範囲を超える場合はPFNとの商用ライセンス契約が別途必要になるので、会社として入れるなら法務・購買を最初から巻き込む。注意点は4つ。ひとつは、ライセンス条件が「直近事業年度の収入または売上が10億円以下の企業および個人」という線引きなので、自社がどちら側かを確認せずに業務利用を始めないこと。ふたつめは、対応は日本語・英語を含む53言語とされているが、自分が扱う言語が含まれるかはモデルの説明ページで確認すること。みっつめは、安全規格や契約書のような責任の重い文書は、AI翻訳を下訳に留めて最終判断は人が持つこと(エッジで動くことは機密が守られる話で、訳文が正しい保証ではない)。よっつめは、リリース中のスマートフォン実行例は「デモ用の環境で実行」と注記されたデモなので、自分の端末で同じ速さが出る前提にはしないこと。

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