ホーム / AI × FA ダイジェスト / 2026-10-19 A
制御設計 3 TOPICS TOPIC 01 制御設計
画像センサFHとPLCの通信を「AIと設計する」ときの分担線 Zennの記事が、オムロンの画像センサFHシリーズで計測した値をNX/NJシリーズのPLCが受け取って制御する構成について、通信設計をAIに手伝わせるときに引っかかる点を整理している。記事は、FH側のマクロが送るバイト列とPLC側のSTが受け取るバイト列が1バイトの単位で噛み合っていないと動かず、AIは片側ずつ書くのは得意だが両側の整合を勝手に取ってはくれないとする。FHとPLCの間にはEtherCAT、EtherNet/IP、無手順のTCP/UDP、PLCリンクという複数の経路があり、どれを使うかは装置の構成、CPUの種類、要求サイクルタイムで決まる設計判断なので、AIに提案させるのは構わないが採用の判断は根拠を確認したうえで人間がやる、と書いている。
概要の続きを読む+ 無手順のTCP/UDPで数値を送る場合は、受け取る側のPLCのバイト構成を先に固定してから送る側のFHを合わせる順番を勧め、例として0〜3バイトに計測X(0.001mm単位の32bit整数・上位から)、4〜7バイトに計測Y、8バイトに判定(0=OK/1=NG)、9バイトに予備(0固定)を置く表を示す。文字列で送る方式では、FHの無手順TCPは区切りがCR(`Chr$(13)`)に固定で変えられず、無手順UDPでは区切りが要らない、CR・LF・CR+LFから選べるのはシリアル(SerialNormal)の設定だと区別している。`SendString` は第1引数に通信モジュール名が要り、FHマクロの変数には型識別子(`& # $ !`)が要って省略できないとも書く。記事には2026-10-18付の訂正があり、初出時の版に載せていた型識別子の無い変数や通信モジュール名を指定しない `SendString` などを、OMRONの英文マニュアル Z367(FH Series Vision System Macro Customize Functions Programming Manual)の記載に合わせて直したとしている。なお記事は、整数配列がどのバイト順で出るかはZ367に書かれていないので実機で確かめる、`SendString` がCRを自動で付けるかもZ367に明記が無いと留保している。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 明日やるなら、手持ちの画像センサ連携案件1件について「バイト構成表」をExcelで1枚作ることから始める。列はバイト位置/内容/型/並び(上位から・下位から)だけでよく、値は自分のPLC側の受けデバイスから決める。表ができたらそれをそのまま Claude や Gemini に貼り、「この表のとおりに送信側と受信側のコードを書いて」と頼む。片方を書かせたら、もう片方は「これの逆を書いて」と頼むのがこの記事の肝で、AIが片側の都合で並べ替える余地を消せる。次の段階は、ハンドシェイクを「要求待ち→計測→結果送信→受領待ち→要求待ち」の状態遷移として書き出し、これも表でAIへ渡すこと。状態を書かずに「ハンドシェイクを入れて」とだけ頼むと片側が送りっぱなしになる、という記事の指摘はそのまま自分の案件に当てはまる。コストは生成AIの無料枠で足り、追加投資は要らない。注意点は2つで、経路の選択(EtherCATか無手順TCPか等)はAIに選ばせず自分の装置構成と要求サイクルタイムで決めること、そしてバイト順と改行コードは机上で終わらせず、装置を動かす前に「通信だけ切り出して固定値を送る」試験で潰しておくこと。自分の現場だと、ここを省いて装置試運転で初めて数値がおかしいと気づき、通信か制御かの切り分けに半日使う、という形で表に出てくる。
TOPIC 02 制御設計
MELSEC-A/QnA/QからiQ-Rへ、ソフト側で必ず見比べる項目 Qiitaの記事(2026年10月18日投稿)が、三菱電機のMELSEC-A/QnA/QシリーズからiQ-Rへ更新するときにソフトウエア側で気をつけたいことをまとめている。プロジェクトファイルの変換はGX Developer→GX Works2→GX Works3と段階を踏むのが基本で、A/QnAからは「MELSEC-A/QnA→MELSEC iQ-R変換サポートツール(SW1DNN-ARCNV-B)」を使えばGX Developer形式からGX Works3へ直接変換もでき、こちらはデータに注意点のメモが自動で埋め込まれるので便利だとする。GX Works2からGX Works3への変換ではFBがマクロ型になり、処理速度を優先する場合はマクロ型FB、プログラムのサイズを小さくしたい場合はサブルーチン型FBを選ぶ、またマクロ型FBの本体以外でFBの引数を直接使用すると意図しない値になる場合がありその場合もサブルーチン型FBにする必要がある、と書いている。
概要の続きを読む+ iQ-RユニットのQ互換モードについては、ユニットXYの割付とGのバッファメモリがQと互換のアドレスになるだけで機能はiQ-Rそのままだと注意し、例としてA/D・D/A変換はQでは0〜4000カウントを使っているケースが多いが0〜4000カウントの分解能をiQ-Rで選ぶことはできず、プログラムで変換するかスケーリング機能で0〜4000で入出力する必要があるとする。D/Aの断線検知機能は対象機種では標準で有効になっており、断線時に異常リセットをユニットに送らないとD/A出力が中断されてしまうため、検知機能が不要ならパラメータで無効化すると説明する。記事はまた、CPUの更新で処理が高速になると旧CPUのスキャンタイムでは表面化していなかったプログラムの不具合(例として外部機器とのハンドシェイクがスキャンタイムに依存していた場合)が出ることがあるとし、更新前のスキャンタイムを記録しておき、それを基準にコンスタントスキャンを設定してスキャン周期を更新前相当に合わせる方法を挙げている。GX DeveloperのST言語プログラミング機能を使っていた場合は、GX Works2との仕様差(GX Developerで使えていたラベル名がGX Works2では予約語に該当する等)で読出しや変換に問題が出ることがあり、さらに同機能はWindows 10以降では使用不可のため古いOSのPCも必要で、一部のST命令は名称変更が行われているため手動での置換も必要だとしている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + リプレース案件を抱えているなら、まず「更新前後のパラメータ比較シート」を1枚作るのが最初の一歩。記事が挙げるラッチ範囲、タイマの時限、ウォッチドッグタイマ、コンスタントスキャン、エラー時の停止/続行、STOP→RUN時の出力、I/O割付、通信・ユニット設定を行に並べ、更新前の実測値・変換後の値・意味の3列で埋める。値だけでなく「この設定が何を意味するか」の列を作るのが効くので、ここはAIに下書きさせてよい。GX Works3の[ツール]→[メモリ容量計算(オフライン)]で変換後容量を見る作業も、同じシートの最後に項目として足しておく。次の段階は、スキャンタイムの記録を「現地調査の必須項目」に格上げすること。稼働中に測っておかないと、高速化で表面化した不具合をコンスタントスキャンで逃がす手が使えなくなる。コストは、比較シート自体はゼロ円で今日作れる。変換サポートツールの入手条件は三菱電機側の提供形態に依存するので、案件が決まった時点で代理店に確認する前提で見積もる。注意点は、変換が通ったことを完了印にしないこと。記事がQ互換モードについて「アドレス割付に互換性があるだけ」と書いているとおり、A/D・D/Aの分解能やD/A断線検知のように、プログラムが通っても現場の挙動が変わる項目が残る。自分の案件では「変換OK」の報告と「パラメータ照合OK」の報告を別の行に分けて客先へ出すだけでも、後工程の揉め方がだいぶ変わるはず。
TOPIC 03 制御設計
AIが書いたGASを「知らないAPIで落ちる」模擬環境でテストする Zennの記事(2026/10/18公開)が、生成AIに書かせたGoogle Apps Script(GAS)を、Node.js上に作った小さな「GASっぽい環境」でテストする方法を紹介している。仕掛けの中心はJavaScriptのProxyで、知らないプロパティを読んだ瞬間に「どのクラスの何を読んだか」を名指しして例外を投げるようにする。記事はAIが書いたGASの困る点として、それらしい名前の実在しないメソッドを呼んでいる、件数が多い日だけ通る分岐の中にだけそういう呼び出しがある、見出ししかない空のシートで落ちる、を挙げ、本番で試すとメールが本当に飛ぶと書く。模擬環境では SpreadsheetApp・Sheet・Range・MailApp を必要なメソッドだけ持つオブジェクトとして作り、全部を strict() で包み、getRange の行数が0のときや setValues の配列の大きさが範囲と合わないときも例外にしている。
概要の続きを読む+ 架空のタスク表でわざと3つの問題を入れたコードを「ふつうの日」「見出しだけ」「期限切れが11件」の3状況で走らせると、Node.js v24での実行結果は「sendEmail: 未対応のキー from」「getRange: 行・列・行数・列数は1以上の整数(0)」「Sheet.getLastRowOfColumn は未定義」で、3つとも本番の前に見つかったとする。Proxyは実行した行しか見ないため、実行されない分岐については、コードの中の `.名前(` を全部抜き出して模擬環境に実装したメソッド名とJavaScript標準のメソッドを除いた一覧を出す静的チェックを併用し、`getLastRowOfColumn` を「要確認の呼び出し」として拾っている。修正は3か所(見出しだけなら getRange の前に return、実在しない呼び出しを消す、`from` をやめて一覧にある `name` にする)で、同じテストで3つともOKになった。記事は、この模擬環境は自分が実装した範囲のGASであり、権限の承認画面、実行時間の上限、トリガーの実際の発火、共有設定などは再現できないので、最後は本番のコピーで1回動かすと断っている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 制御設計の周りでAIに書かせるコードは、PLCのSTだけでなく、帳票や点検記録を回すGASも含まれるはず。そこで最初の一歩は、この記事の静的チェックだけを真似すること。模擬環境を組まなくても、AIが出したGASをテキストとして `.名前(` で抜き出し、公式リファレンス(Class Sheet / Class MailApp)にその名前があるかを目で照合するだけで、「それらしいが実在しないメソッド」はほぼ落ちる。所要10分、費用ゼロ。次の段階は、自分がよく使う3〜4クラス分(SpreadsheetApp / Sheet / Range / MailApp)だけの模擬環境を1ファイル作って使い回すこと。記事が踏んだ「vm.createContext に外の Date を渡し忘れると due instanceof Date が常に false になり、エラーも出ずに期限切れ0件になる」という落とし穴は、自分で組むと必ず踏むので先に知っておく価値がある。コストはNode.jsを入れるだけなので無料、作業は半日程度。注意点は、模擬環境が通ったことを「安全」と読み替えないこと。記事が明言しているとおり権限承認・実行時間上限・トリガー発火・共有設定は再現できないので、メール送信や削除を伴うスクリプトは最後に必ず本番のコピーで1回動かす。自分の運用に落とすなら、点検記録の集計スクリプトのように「宛先が社内」「失敗しても作り直せる」ものから始め、客先へ飛ぶ帳票メールは模擬+本番コピーの二段で確認、という線引きにしておくのが無難だと思う。
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フィールド業務 3 TOPICS TOPIC 04 フィールド業務
作業当日に更新が終わらない日は実際にある — 保全用PCの準備 株式会社STEのnote記事(2026年10月17日)が、休日の設備停止に合わせてPLCの点検を予定しているときの保全用PCの準備を取り上げている。記事は、オムロンが2026年10月16日にSysmac StudioとCX-Oneのバージョンアッププログラムの公開を一時停止していると案内したと紹介する。更新時の一時ファイルが一部のセキュリティ対策ソフトで検知され、更新を完了できない事象への対応で、同社はウイルス混入ではないと説明し、修正版は10月23日頃の公開を予定しているとする。記事は、予定日は確定した提供日とは分けて読みたいとし、この特定製品の告知をすべてのPLCソフトの不具合へ広げることはできないとも断ったうえで、「ソフトの更新が必要だと思っても、その場で必要なものを入手できるとは限らない」ことを、作業日に準備をまとめてしまう計画を見直すきっかけにするよう勧めている。
概要の続きを読む+ 最初に書き出したいのは対象設備・機器の型式、今回する作業、使うソフト名と版、PCのOS、元データの所在で、そこから対象機種の公式マニュアルや動作環境、対応表を照合する、「最新版を入れた」という一行だけでは何が確認できたのかが残らないとする。準備用の記録には、対象の元データをどのソフトの版で開けたか、接続に使うケーブルや変換器は何か、ライセンスや利用条件を確認できたか、最後に接続を確認した設備と日付、今のPC以外で作業できる環境はあるか、を並べ、「データはあるが、このPCでは開いていない」も有用な記録だとしている。さらに、警告が出るなら保護機能を切って通せばいいと急がないこと、今回のメーカー告知も警告を無視して作業を進める根拠にはならないこと、導入完了と現場での動作確認を同じ完了印にはしないこと、稼働設備でPC更新の成否と設備変更の成否を一度に確かめようとしないことを挙げている。
情報源 note(株式会社STE) (2026/10/17) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 最初の一歩は、次の客先出張の前日までに「作業用PCの現況メモ」を1枚だけ作ること。項目は記事そのままでよく、対象設備の型式/今回の作業/使うソフト名と版/PCのOS/元データの所在の5行から始める。ここで「このPCでそのデータを実際に開いたか」をYes/Noで書くのがポイントで、開いていないなら出張前に一度開く。所要は15分で費用ゼロ。次の段階は、更新を伴う作業を「作業日より前」に切り出す運用にすること。手元に検証用のサブPCを1台持ち、インストールできたか/対象データを扱えるか/必要な接続部品がそろっているかを別々に記録しておけば、当日に更新が走らなくても点検できる範囲だけは進められる。コストは中古ノート1台で数万円、ライセンスの利用条件は要確認。注意点は、今回のオムロンの告知のような事象を「セキュリティ対策ソフトを止めれば通る」の口実にしないこと。記事が書くとおり告知は警告を無視する根拠にならないので、迷ったらメーカー窓口へ照会する。そして最後に、作業日の判断基準を事前に文章にしておく。「対象データを確認できたら進める/必要な版の入手や検証が間に合わなければ更新を伴う作業は延期する/既存環境で実施可能な点検はその範囲で実施する」の3行を出張計画に書いておくだけで、当日に全部中止か無理に全部進めるかの二択へ追い込まれにくくなる。
TOPIC 05 フィールド業務
異メーカーのAMRを1画面で — 富士ソフト「MixFlit」と名古屋Lab ロボスタの記事が、富士ソフトが2026年10月14日に愛知県名古屋市に新設したロボット開発・実証拠点「名古屋Lab」を報道関係者に公開し、同社のAMR統合管理プラットフォーム「MixFlit」を活用して異なるメーカーの複数の搬送ロボットやロボットアーム、工場設備を連携させる実機デモを公開したと報じている。デモにはFANUC、安川電機、Universal Robots(UR)、Preferred Robotics、YOUIBOTなどのロボットを活用し、工場内の部品搬送や通い箱の回収を自動化する仕組みを紹介したという。MixFlitは富士ソフトが2025年11月に発売した製品で、異なるメーカーのAMRやAGVを統合管理するフリート管理システムと、工場内の設備・上位システムとの連携機能を組み合わせたプラットフォームであり、複数の搬送ロボットの位置や稼働状況、実行中のタスク、バッテリー残量、異常情報などを一元的に監視できる。
概要の続きを読む+ 接続は機種に応じたブリッジやアダプタを使い、kachaka Pro(Preferred Robotics)、KeiganALI(Keigan)、Neibo(エクセディ)には標準の接続ブリッジが用意されROS 2対応AMRにも対応するが、その他の機種はカスタムブリッジや各社のロボット制御システム(RCS)との連携で対応する構成のため、すべてのロボットが接続するだけで直ちに利用できるわけではないと記事は書いている。ライセンス価格は一括6百万円(税別)または月額18万円(税別)で、導入費・カスタマイズ・保守費は別途、主な特長としてWeb画面からのルート変更(PLC不要)、Unityによる導入前の3Dシミュレーション、AMRは最大50台まで接続可能、ヒアリングから最短2か月で導入が挙げられている。富士ソフトによれば標準アダプタや連携機能の活用によりシステム開発期間を約50%短縮できるとしているが、記事はこれが同社の試算値であり導入環境や連携する機器によって効果は異なると注記している。名古屋Labは2026年10月1日に開設した同社初のロボットシステム開発・実機検証の専用拠点で、所在地は名古屋市中区錦1丁目のKDDI名古屋ビル、面積は376平方メートル、NEDO事業におけるロボットシステムの研究開発や検証にも活用されるとしている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 自分の立場でこれを使うなら、AMRを買う話ではなく「搬送要求をどこが持つか」を客先と詰める材料として使うのが先。最初の一歩は、担当設備の搬送工程を1枚のブロック図にして、搬送指示の出し元(生産管理/MES/PLC)と行き先の台数を書き込むこと。MixFlitが上位のERP・MES・WMSから搬送指示を受けてAMRの運行管理・タスク管理・充電管理を行う構成なので、自分のPLCがどこまで持つのかの線をこの図で引ける。次の段階は、記事が挙げる「Web画面からのルート変更(PLC不要)」を逆から読むこと。ルート変更がPLC外に出るなら、インターロックと安全のどこまでをPLCに残すかを設計で決めておかないと、現場でレイアウト変更されたときに責任の所在が曖昧になる。ここは提案段階で文書に落とすのが安い。コスト感は記事の価格がそのまま使え、一括6百万円または月額18万円+導入費・カスタマイズ・保守費別途、AMRは最大50台まで、導入は最短2か月。小規模ラインには重いので、まずは2〜3台規模の統合が本当に要るのかを台数と工程数で検算したい。注意点は「約50%短縮」を客先へそのまま持ち込まないこと。記事自身が同社の試算値と書いているので、引用するなら試算値である旨を添える。あと、標準ブリッジが用意されているのはkachaka Pro/KeiganALI/Neiboで、他は個別対応になるため、既設AMRの型式を先に確認しておく。
TOPIC 06 フィールド業務
IPAが「不正アクセス特別相談窓口」を開設、電話でも初動相談ができる 独立行政法人情報処理推進機構(IPA、理事長: 齊藤裕)は2026年10月16日公開のプレス発表で、相次ぐ不正アクセスによる個人情報漏えいの発生に際し、企業や組織からの支援依頼に対応するため、同日13時00分から「不正アクセス特別相談窓口」を開設すると発表した。特別相談窓口では、実際に被害を受けているまたはその可能性がある事象が発生している企業や組織を対象に、不正アクセスによる情報漏えいインシデント発生における初動対応支援を行う。対象は全国の企業・組織で、相談方法は電話(03-6759-5760)とE-mail、電話による相談受付時間は平日9時30分〜17時30分(12時00分〜13時00分を除く)とされている。
概要の続きを読む+ 対応内容は、起きている事象をヒアリングして被害発生の可能性について助言すること、被害が発生している場合に有効な応急処置案を助言すること、インシデント対応を行う専門業者一覧を紹介すること、他に必要な相談・報告先等を紹介することの4点。背景としてIPAは、直近において国内の金融機関や通信事業者等の幅広い事業者から不正アクセスの被害による情報漏えい事案の公表が相次いで行われており、特に大量の個人情報を取り扱うオンラインサービスやアカウントサービス等に関するシステムが不正侵入され、個人情報を含むデータが窃取される事案が複数判明していると説明している。そのような状況の中で、中小企業を含む全国の企業や組織においては、現在起きている事象から不正アクセスおよび情報漏えい発生の可能性を確認し、応急処置などの初動対応を行うことが重要だとしている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 最初の一歩は、この電話番号と受付時間を「客先での異常時に開く紙」に1行足すこと。自分が持ち歩く作業手順書か、客先の制御盤に貼ってある連絡先一覧に、IPA不正アクセス特別相談窓口(03-6759-5760/平日9時30分〜17時30分、12時00分〜13時00分を除く)と書いておく。費用ゼロ、5分で終わる。効くのは、現場で「社内ネットにつないだ保全用PCの挙動がおかしい」「生産管理サーバへのアクセスが妙だ」といった場面で、客先の情報システム担当がいない深夜・休日に、誰に相談すべきかが分からず判断が止まるケース。窓口は平日日中なので、夜間は「触らず記録を残して翌営業日に相談」という選択肢を先に決めておくことになる。次の段階は、自分が客先へ持ち込む機材の扱いを決めること。保全用PCやUSBメモリは客先ネットワークに入る経路そのものなので、持ち込み時点の状態(OS更新日、対策ソフトの定義日、直前に接続した設備)を作業記録に残す運用にしておくと、万一事案が起きたときに自分の機材を容疑から外せる。コストは記録の手間だけ。注意点は、窓口が対象としているのが「実際に被害を受けているまたはその可能性がある事象が発生している企業や組織」であることで、平常時の設計相談先ではない。また、発表が挙げている背景は大量の個人情報を扱うオンラインサービス等への不正侵入であり、これをFA設備への攻撃の話へ読み替えないほうがよい。自分の業務では、あくまで「客先の情報漏えい事案に巻き込まれたときの初動相談先」として控えておく。
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AIニュース 2 TOPICS TOPIC 07 AIニュース
エージェントスキル6,309件を調べたプレプリント — 約7割が影響の大きい操作を実行し得る Xの投稿が、AIエージェントに機能を追加する「エージェントスキル」6,309件を調べ、約7割はシェルコマンドの実行など影響の大きい操作が可能と推定したプレプリントを紹介している。投稿によると、エージェントスキルはエージェントが指示として読むMarkdown文書と付属のスクリプトなどをまとめたフォルダーで、著者は検査ツールを開発するMetano-Labsや米パデュー大学などの研究者、調査はスキルを配布するマーケットプレイスのClawHubとskillsmpから人気が中程度のものを中心に選んで分析しており、各割合はマーケットプレイス全体ではなく標本内の値だという。分析は2段階で、まずAIモデル(主にClaude Haiku 4.5)がスキルの全ファイルを読んで実行させ得る操作を推定し、次にサンドボックス内でエージェントにスキルを実行させてプロセスやツールの呼び出し、外部への通信を記録し、その記録を1段目とは別のAIモデル(主にGemini 3.1 Pro Preview)が評価する、と投稿は整理している。
概要の続きを読む+ AIモデルの推定では約半数がシェルコマンドを実行でき、13%が認証情報にアクセス可能で、サンドボックスでシェルの実行が実際に記録されたのは約12分の1の518件、1回の実行では一部の処理しか通らないため実行時の記録は下限として扱うという論文の注記も紹介している。Markdown文書の冒頭にある設定欄(フロントマター)には利用者の確認なしで使わせるツールを作者が書く項目が存在するが、この項目は記載したツールの確認を省くだけで記載のないツールの利用は禁じておらず、記載内容をスキル全体と照合する仕組みもないと論文が指摘しているとし、設定欄を解析できた6,061件のうち記載があったのは770件(12.7%)、そのうち457件(59%)でスキル全体から推定した操作の一部が記載から漏れていたとの集計を挙げる。投稿は、Metano-Labsの検査ツール(スキャナー)が悪意ありか不審と判定したのは全体の5.4%に当たる338件だとしつつ、そのスキャナーは著者が所属するMetano-Labsが開発・運用するもので第三者による評価は受けておらず、悪意の判定はAIモデルの点数に基準値を当てた結果で事実の認定ではないと論文が明記していることも併記している。論文は、マーケットプレイスの掲載審査を作者の自己申告に頼らず、付属ファイルを含むスキル全体で実行できる操作を基に行うよう提言しているという。
情報源 X(@MalwareBibleJP) (2026/10/19) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 自分もClaude系のツールに「スキル」や自作の指示ファイルを置いて使っているなら、これは他人事ではない。最初の一歩は、今入れているスキルを棚卸しして、各フォルダに付属スクリプト(.sh / .py / .js など)があるかだけを確認すること。Markdownしか入っていないスキルと、スクリプトが同梱されているスキルは危険度が別物なので、一覧に「付属スクリプト有無」の列を足す。所要30分、費用ゼロ。次の段階は、外部から持ってきたスキルを入れる前に、付属ファイルを全部開いて読む手順を自分のルールに書くこと。この調査が示しているのは「冒頭の設定欄に書かれたツール一覧は、そのスキルが実際にできることの全部ではない」という点なので、設定欄だけ見て判断する癖は捨てる。読むのが面倒なら、別のAIに「このフォルダのファイルが実行し得る操作を列挙して」と読ませてから自分で確認するのが現実的。コストはゼロだが、時間は1スキルあたり10〜20分みておく。注意点は2つ。1つは、この数値が「実行できるか」の推定であって悪意や実害の証拠ではないこと。怖がって全部外すのではなく、自分の環境で何に触れるかで線を引く。もう1つは、自分のPCには客先の図面やプログラムが入っているという前提で考えること。認証情報にアクセスし得るスキルを信用して入れるのは、客先データを預けるのと同じ判断になる。自作スキルだけで回す、外部スキルは別ユーザーか別マシンで試す、くらいの分離が現実的な落としどころだと思う。
TOPIC 08 AIニュース
コネクタもAPIも無いサービスを、Claude CodeのChrome拡張で操作する e-dash Tech Blogの記事(2026/10/16公開)が、MCPのコネクタもAPIも無いサービスを、Claude CodeのChrome拡張連携で操作した3か月ほどの運用を書いている。Chrome拡張をつなぐとClaude Codeから普段のChromeを操作でき、Claudeは新しいタブを開いてそこで作業する。できるのは、画面の情報を読む(表示されている要素と文字を取る、スクリーンショットを撮る)、画面を操作する(クリック、入力、ページ遷移、タブの開閉)、開発者ツールの情報を読む(コンソールのエラー、ネットワークリクエストと応答)、操作を記録する(一連の流れをGIFに残す)の4つで、普段のChromeを使うのでログイン状態もそのままだとする。
概要の続きを読む+ 必要なものはChrome拡張のバージョン1.0.36以上とAnthropicの契約プランで、拡張が要求する権限はDebugger、Scripting、Native Messagingの3つ、`--chrome` を付けて起動するか `/chrome` から設定する。筆者はローコードで作られた管理コンソールの運用に使い、画面でしか作れない設定の作成から保存、テスト実行、結果の確認までを任せ、人が手を出したのは保存を確定するダイアログで1回クリックするところだけだったと書いている。任せる範囲として、渡しているのは認証済みの状態だけでIDとパスワードはClaude Codeのコンテキストに入らず、ログイン画面やCAPTCHAではClaudeが止まって人に操作を求めること、挙げた操作はすべて開発環境での話でステージングと本番は人がやる(筆者の方針)こと、plan modeとChrome拡張側のサイトごとの許可設定で勝手に進められる範囲を減らすことを挙げる。できないこととしては、ブラウザやOSが出す確認ダイアログとファイル選択ダイアログが出ている間はスクリーンショット・座標クリック・ページ遷移がどれも通らず、JavaScriptで上書きする回避は安全機構にブロックされること、クロスオリジンのiframeの中の文字は取れずクリックとスクリーンショットは通ることを説明している。また、`/login` でのサインインが必要で、APIキーや `claude setup-token` での認証、Amazon Bedrockなどサードパーティ経由、WSLでは有効にならず、`.claude/settings.json` で `CLAUDE_CODE_ENABLE_CFC` を立てても無視されるとも書いている。
情報源 Zenn(e-dash Tech Blog) (2026/10/16) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 自分の業務でAPIが無くて手が止まるのは、客先の生産管理のWeb画面、メーカーの部品検索・在庫画面、社内の工数入力システムあたり。最初の一歩は、その中から「読むだけ」の作業を1つ選んでやらせること。例えばメーカーサイトの型式ページを開かせて仕様値を表にまとめさせる、客先ポータルの公開資料一覧を読ませて更新日を拾わせる、といった範囲なら、押し間違いで何かが変わる心配がない。`--chrome` を付けて起動し、`/chrome` で「Status: Enabled」「Extension: Installed」を確認してから始める。次の段階は、記事と同じく範囲を先に文章で決めること。自分なら「読むだけはAI、入力と保存は人」「客先システムは触らせない、自分のPC上の社内システムだけ」の2行から始める。plan modeにしておけば新しいタブを開く操作の前に承認が入るので、まずそこを既定にする。コストはAnthropicの契約プランの範囲内で追加課金なし、準備は拡張のインストールで30分程度。注意点は3つ。1つはログイン済みのChromeをそのまま触らせるという点で、客先のアカウントで入っているブラウザでは使わない(記事も認証情報は渡さない設計だと書いているが、セッション自体は生きている)。2つめは、確認ダイアログが出ると操作が全部止まるので、保存の確定が必要な作業は「このあと1クリックお願いします」と自分が待機する前提で組むこと。3つめは、既定で有効にするとブラウザツールが常時ロードされてコンテキストを消費するので、使う日だけ `--chrome` を付けるほうが軽いという点。これは長い作業をさせるときに効いてくる。
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