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制御設計 4 TOPICS TOPIC 01 制御設計
三菱電機のMELSEC iQ-R安全シーケンサーが欧州機械規則のEU型式認証書を取得——不正アクセス・改ざん対策の設計も評価 三菱電機は2026年9月17日、「MELSEC iQ-R」シリーズの安全シーケンサーにおいて、テュフ ラインランドから欧州機械規則(Machinery Regulation(EU) 2023/1230)への適合を目的として発行されるEU型式認証書を取得したと発表した。記事は、同社のFA分野として初めての取得になると伝えている。欧州では2027年1月20日より、従来の欧州機械指令(Machinery Directive 2006/42/EC)に代わって欧州機械規則が義務化される。欧州機械規則は欧州市場で流通する機械や製品の安全に関する法的枠組みで、従来の物理的な機能安全に加えて、ソフトウェア、ネットワーク接続性、リモートアクセスに関するサイバーセキュリティの要件が新たに義務付けられている。
概要の続きを読む+ 今回の認証の対象となったMELSEC iQ-Rシリーズの安全シーケンサーは、一般制御と安全制御を1つのコントローラーで実現でき、産業用Ethernet「CC-Link IE TSN」を活用してサーボやインバーターなどの駆動機器と連携できる。対象機種は2015年に発売され、主に自動車業界やプレス業界など機械安全が必要なさまざまな業界で使用されているという。今回の認証では、こうした制御/機器連携の機能に加え、不正アクセスやソフトウェア改ざんなどによって安全機能が損なわれないようにする設計や対策が評価されたとしている。同社は、この製品を普及させることで機械と人が同じ空間で安全に作業できる「協調安全」を実現し、FA分野における保守運用の最適化に貢献するとし、欧州市場向けに同製品を使用する機械や装置の欧州機械規則への適合に関わる設計、検証などの業務負荷軽減にも寄与すると説明している。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 最初の一歩は、自分が関わった装置のうち「欧州へ出る/出る可能性がある」ものを1枚に書き出すこと。装置名、納入先、安全PLCの型式、リモート保守の有無の4列でよく、今日30分でできる。ここで効くのは、認証の評価対象に「不正アクセスやソフトウェア改ざんで安全機能が損なわれない設計」が入ったという事実で、これまで安全回路の話だったものに、ネットワーク側の話が正面から乗ってきたことを意味する。次の段階は、その一覧の装置ごとに「安全PLCへ誰がどこから書き込めるか」を洗うこと。GX Works3のプロジェクトを預けている先、客先のVPN、保守用ノートPCの持ち出し、この3つを書き出すだけで、自分の案件の弱いところが見える。設計側で今から仕込めるのは、安全プログラムのパスワード運用と、リモート保守の接続経路を常時接続にしない構成の2点。コストは棚卸し自体はゼロ、認証済み機種への置き換えが要る場合はCPU・ベースの入れ替えで1台あたり数十万円規模を見込む。注意点は、この記事はあくまで三菱電機が対象機種について認証書を取得したという話であって、その機種を使えば装置全体が欧州機械規則に適合する、という意味ではないこと。記事も「機械や装置の適合に関わる設計、検証などの業務負荷軽減に寄与する」という書き方に留めている。客先へは「装置の適合は別途必要、ただしコントローラー部分の証跡は揃う」と正確に伝えるのが安全。2027年1月20日という期日は交渉できないので、欧州案件は逆算して今期のうちに機種選定の方針を決めておくとよい。
TOPIC 02 制御設計
アイ・エル・シーがソフトPLC「INTALOGIC5」×AIエージェントのMCP連携デモを参考出展、PLCドラレコも アイ・エル・シーは「産業オープンネット展2026」(2026年9月11日、東京都立産業貿易センター 浜松町館)において、設備監視用のカメラソリューションや組み込みソフトウェアPLCを紹介した。設備監視用ソリューションは、i-PRO製のAIカメラにアイ・エル・シーのソフトウェアアプリ「Connected PLC」をインストールすることで、既存のPLCのプログラムを変更せずに、ドライブレコーダーのようにPLCのアラームと同期した現場の映像記録ができるというもの。チョコ停発生前後の映像を記録して原因の特定に活用したり、製造ラインで危険を検知した前後の映像を残して現場改善の材料にしたりできる。
概要の続きを読む+ 従来はPLCとカメラを連携させるのに上位機種のPLCや専用コントローラー、PLCのプログラムの書き換えやそれに伴う再検証が必要でコストや工数がかかっていたが、今回はAIカメラ側に通信機能などを組み込んでいるため、プログラムを変更せずにPLCとLANケーブルで接続するだけで利用できるとしている。三菱電機やキーエンス、オムロンなどの主要PLCメーカーに対応する。同社はさらに、組み込みソフトウェアPLC「INTALOGIC5」とAIエージェントによるリアルタイム連携デモも参考出展した。AIに質問を投げかけると、PC内のMCP(Model Context Protocol)サーバを経由してPLC内部のアドレス情報などを読み取り、現在の動作状態を解析して即座に回答する。値の変更やRUN/STOP動作も可能だという。INTALOGIC5は制御開発ツール「INTALOGIC5 Editor」と制御ランタイム「INTALOGIC5 Run」で構成され、国際規格IEC 61131-3に準拠してLD、FBD、ST言語に対応する。ラダープログラムをバイナリへ変換せずテキスト形式のまま保存しているため、AIエージェントが瞬時に読み込んで解読したり書き換えたりできる、と記事は説明している。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + ここで持ち帰るべきは製品名ではなく「プロジェクトがテキストで保存されているかどうかが、AIを使えるかどうかの分かれ目になる」という一点。GX Works3のプロジェクトはバイナリなので、そのままではAIに読ませられない。最初の一歩は今日できる代替策で、GX Works3から「プロジェクトの文書化」やラベル・デバイスコメントのCSV出力を行い、そのテキストをGeminiやClaudeの無料枠に貼って「この命名規則で揺れている箇所を挙げて」と聞いてみること。読み書きはできなくても、読ませるだけで設計レビューの当たりは付く。次の段階は、記事のMCP連携が示している「AIが現在値を見て答える」部分の代用。既存案件でSLMPやModbusで上位へ出しているデータがあるなら、それをCSVでローカルに落とし、AIに「この30分のログで、停止前に先に変化した信号はどれか」と聞く運用にする。ここは装置を止めずに試せる。もう一方のConnected PLC側は、客先で「チョコ停の原因が分からない」と言われたときの提案材料として温めておく価値がある。既存PLCのプログラムを変更せずLANケーブル1本で済むという構成は、こちらが再検証の工数を負わなくてよいという意味で、見積もりの出しやすさが違う。コストは、AIへ読ませる検討は無料枠で今日から、カメラ連携は機器+アプリで一式数十万円規模を想定して客先に幅で伝える。注意点を2つ。1つは、AIエージェント連携は参考出展のデモとして紹介されたものなので、現段階で客先へ「できます」と約束しないこと。もう1つは、AIから値の変更やRUN/STOPができる構成は、裏返せば書き込み権限を渡すということなので、自分で試すときは必ず実機から切り離したシミュレータか予備機で行うこと。
TOPIC 03 制御設計
ClaudeのスキルにPLCの許可命令リストとハマりポイント集を常駐させる——他言語の常識の持ち込みを防ぐ7要素 note記事が、AIにST言語を書かせたときに `iVar = 0` という代入が返ってくる、文字列を `s1 + s2` で連結しようとしてビルドで弾かれる、といった間違いはAIの能力が低いから起きるのではなく、AIがPythonやVBAの常識を持ち込むから起きる、という見立てを示している。記事はその対策として、Claude Desktopの「スキル」——専門知識をmdファイルとして登録し、関連する作業のときに自動で適用させる機能——に何を書くかを、自作スキルの構成を汎用化する形で説明している。挙げられている要素は7つ。1つ目はリファレンス準拠の大原則で、「使ってよい命令は、手元のNX/NJ命令語リファレンスに記載のあるものだけ。
概要の続きを読む+ IEC 61131-3に存在してもSysmacで非対応の構文は使わない」と冒頭に置く(記事は、これは筆者の環境の例で、使うメーカや機種に合わせてリファレンス名と対象IDEを置き換えるものだと断っている)。2つ目は型付きリテラルの規約(`usiState := USINT#0;`、時間は `T#5s`)、3つ目は型変換の明示(`USINT_TO_INT` の対応表、配列インデックスはINT型を要求する)、4つ目は禁止パターン表で、`iVar = 0` → `iVar := INT#0`、`s1 + s2` → `CONCAT(s1, s2)`、`arr.length` → `SIZEOF(arr) / SIZEOF(arr[0])`、REAL等価比較 → `IF ABS(rVal) < 1.0E-9` のように他言語の書き方と正しい書き方を対にして並べる。5つ目は状態遷移テンプレート(待機を0、順次処理を10刻み、異常を99とする状態番号の規約まで固定する)、6つ目はExecute型FBの呼び出し規約(Doneを受け取ったあとに必ず `Execute := FALSE` で落とす)、7つ目はバグが出るたびに現象・原因・正しいパターンを1行ずつ追記する運用ルール。スキルはSKILL.mdという1ファイルで書き、先頭のfrontmatterのdescriptionが発動条件になる。本文の並び順は「原則 → 表 → テンプレート → 禁止例」が効くとしている。効果について記事は、Python風の構文が混入する頻度が明らかに下がったという実感はあるが定量比較はしていないと明記し、限界として、スキルに書いていない新種の地雷は普通に踏むこと、リファレンスにない関数の捏造がゼロになるわけではないことを挙げている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 最初の一歩は、記事の7要素のうち4番目「禁止パターン表」だけを、自分の環境向けに10行書くこと。三菱系なら、GX Works3のST/ラダーでAIがやりがちな取り違え——デバイス種別(D/M/L/SD)の混同、タイマ・カウンタの設定値記法、`MOV` と `DMOV` の使い分け、ビットデバイスへの数値代入——を「よくある誤り → 正しい書き方」の2列で並べる。これは今日、メモ帳1枚で始められる。次の段階は、その表を毎回貼るのをやめてファイル化すること。Claude Desktopのスキルを使うならSKILL.mdに、そうでなければ社内共有フォルダのmdファイルに置き、AIに聞くときの最初のメッセージで丸ごと貼る運用にする。記事が言うとおり、プロンプトは揮発するがファイルは残るので、来週の自分と後輩に引き継げるかどうかがここで決まる。3番目の段階は運用ルールで、ビルドで弾かれるたびに1行追記すること。半年続けると、これが自分の「ハマりポイント集」になり、AI抜きの新人教育資料としても使える。コストはゼロ。Claude Desktopのスキル機能を使わなくても、テキストファイル+コピペで同じ効果の8割は出る。注意点は2つ。1つは、記事自身が「定量比較はしていない」と断っているとおり、精度向上の程度は環境で変わるので、上司や客先へ「AIで不具合が減ります」と数字で約束しないこと。もう1つは、リファレンスにない関数の捏造がゼロにはならない点で、AIが出したSTはビルドを通すまで信用しないという原則を崩さないこと。とくに安全関連や非常停止に絡む部分は、AIの出力を下書きにすらしない線引きを自分で決めておく。
TOPIC 04 制御設計
エムジーが「BA1C-PAC」を発売——CODESYS 3.5とNode-REDから開発環境を選べるコントローラ エムジーは、ビルオートメーションや省エネ監視システム向けに、プログラマブルオートメーションコントローラ「BA1C-PAC」を発売した。記事によれば、同製品はコンパクトなボディにUSB Ver.2.0ポートやマイクロSDカードスロットなどの各種インタフェースを標準搭載したコントローラで、小規模ビル等の監視・制御に適するとしている。各種リモートI/Oの入出力信号をネットワーク通信経由で受け取り、設備の制御や監視を実行する。特徴は、ユーザーの用途やスキルに合わせて選択できる2つのプログラミング環境を用意している点。IEC 61131-3準拠のソフトPLC「CODESYS 3.5」では、ラダーや構造化テキストなど6種類の言語で制御プログラムを構築できる。
概要の続きを読む+ もう一方のWebブラウザ上で動作する「Node-RED」では、部品をドラッグ&ドロップで接続する操作により、コード不要で処理フローを作成できる。CODESYSの利用時にはEtherCATやEtherNet/IP、OPC UA、PROFINETなどの複数プロトコルに対応できるとしている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + この製品そのものよりも、「同じ箱でCODESYSとNode-REDを選べる」という構成が、自分の案件設計の考え方に効く。最初の一歩は、いま抱えている監視・データ収集の要件を「締切がある処理」と「遅れてもよい処理」の2つに仕分けること。インタロックや保護停止のように応答時間に締切がある処理はソフトPLC側(ラダー/ST)、日報の集計・メール通知・クラウド送信のように多少遅れても困らない処理はNode-RED側、という分け方を紙1枚に書くだけで、後の選定がぶれなくなる。今日できるのはこの仕分けまでで十分。次の段階は、Node-RED自体を手元で触ってみること。Raspberry Piでも自分のWindows PCでも無料で動くので、「Modbus TCPで温度を読んでスプレッドシートに書く」フローを1本作れば、どこまでノーコードで済むかの肌感が掴める。ここを知っておくと、客先から「見える化だけ安くやりたい」と言われたときに、PLCを盛らずに答えを出せる。コストは、試すだけなら無料(Node-REDはオープンソース、CODESYSは評価用で試せる範囲がある)。実機を入れる場合は、リモートI/Oを含めた構成で見積もりを取る。注意点は、記事が挙げている複数プロトコル対応(EtherCAT、EtherNet/IP、OPC UA、PROFINET)はCODESYSの利用時という条件付きで書かれていること。Node-REDで組むつもりの部分に産業用プロトコルを期待しないこと。もう1つ、この製品はビルオートメーションや省エネ監視システム向けとして紹介されているので、生産設備の主制御へそのまま持ち込む前提で客先に話さないほうがよい。
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フィールド業務 5 TOPICS TOPIC 05 フィールド業務
NTNが軸受の状態監視システム(CMS)を提供開始——振動データを「正常/初期損傷/注意/警告」の4段階で可視化 NTNは2026年9月2日、工場などの産業設備における軸受(ベアリング)の状態を常時監視し、設備の停止につながる異常兆候を早期に検知する「産業設備向け状態監視システム(CMS)」の提供を開始したと発表した。CMSは、新たに開発した「設備診断エッジユニット」と軸受診断アプリケーション「Bearing Inspector」を組み合わせたシステムで、設備の振動データを収集および解析し、軸受や設備の状態を「正常」「初期損傷」「注意」「警告」の4段階で直感的に可視化する。これにより、専門知識が少なくても迅速な状態把握と保全判断を支援するとしている。同システムは自社製軸受だけでなく他社製軸受にも対応し、大規模な設備改造を必要とせず既存設備への後付け導入ができる。
概要の続きを読む+ また、対象設備の調査から実証評価、システム導入、運用に至るまで同社が一貫して支援するため、構築にかかる負担を軽減するという。導入後も軸受調査やグリス分析を通じて原因分析と改善提案を行い、適切な保全活動をサポートするとしている。対象は、製紙、鉱山、鉄鋼、食品、セメントなどの製造現場で使用されるモーター、ポンプ、ファン、コンベヤーといった回転機械。先行実施した資源リサイクル事業者での6カ月間の実証評価では、ベルトコンベヤー回転軸のクラックといった異常兆候を早期検知し、突発停止の未然防止に貢献したことで正式導入へと至った、と記事は伝えている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 最初の一歩は、客先で「また止まった」と言われる回転機械を3台挙げて、それぞれ「止まると何分/何時間ラインが止まるか」を数字で書くこと。予知保全の提案が通るかどうかは、センサーの性能ではなくこの停止コストの数字で決まる。今日この3行が書ければ十分。次の段階は、いきなりシステムを入れずに手持ちで測ること。スマホの振動・騒音アプリでも、同じ位置・同じ運転条件で週1回撮り続ければ傾向は出る。ここで「変化が出る機械/出ない機械」を仕分けてから本格導入に進むと、無駄な投資を避けられる。3番目に、PLC側でできる下準備をしておく。運転時間の積算、起動回数、電流のピーク値の3点をGX Works3でロギングしてSDカードに残すだけでも、あとで振動データと突き合わせる材料になる。この記事のシステムが「4段階で可視化して専門知識が少なくても判断できる」ことを狙っている点は、自分の現場でも同じで、生データを現場に渡しても見てもらえないという教訓として使える。コストは、手持ち測定はゼロ、本格導入は設備診断エッジユニット+アプリ+支援の一式なので数十万円〜が目安(記事に価格の記載はないため、客先には概算を約束しない)。注意点は、記事に出てくる6カ月間の実証評価は資源リサイクル事業者での先行実施の話で、ベルトコンベヤー回転軸のクラックという特定の事例であること。自分の客先の設備で同じ期間・同じ成果が出るとは限らないので、提案では「まず1台・数カ月の実証から」という段取りをセットで出すこと。
TOPIC 06 フィールド業務
Co-Labo AIが製造業向け「予兆保全AI」の活用モデルを公開——モデルケースで設備確認工数75%削減を試算 株式会社Co-Labo AIは2026年9月25日、製造業向けに、設備のセンサーデータなどをAIで分析し、故障や異常の兆候を早期に検知する「予兆保全AI」の活用モデルを公開した。同社は既存のセンサーデータを分析するだけでなく、「故障や異常を捉えるために、どのデータをどのように収集するか」というデータ設計の段階から支援するとしている。設計の流れとして、何を予測したいのか → どのデータが必要か → どの頻度・方法で収集するか → AIでどのように異常を捉えるか → 検知後に誰がどのように対応するか、までを製造現場の業務に合わせて設計すると説明する。検知の方式については、単一の数値がしきい値を超えたかだけではなく、電流値や温度、振動など複数のデータが時間の経過とともにどのように変化しているかを捉えることで、通常とは異なるパターンの発見を支援するとしている。
概要の続きを読む+ 必要に応じて現場担当者へのヒアリングも行い、「故障前に音が変わる」「振動の仕方が変わる」「特定の条件で異常が起きやすい」といった、現場担当者が経験から把握している情報も整理するという。効果については、複数設備のセンサーデータや稼働状況を担当者が日々確認しており、設備状態の確認や異常有無の一次確認に1日60分かかっているケースを想定し、人による確認時間を1日15分まで短縮できた場合に工数を75%削減できる、月20営業日なら月間工数は約20時間から約5時間となり月約15時間・年間約180時間の削減余地がある、というモデルケースの試算を示している。リリースはこの数値について「業務効率化のイメージを示すためのモデルケースです。実際の導入効果や予測精度は、設備の種類、取得データ、故障発生状況、運用方法等によって異なります」と明記している。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + このリリースで一番使えるのは75%という数字ではなく、「何のデータを取るか」から設計するという順番のほうで、これはそのまま客先提案の型になる。最初の一歩は、自分が関わる設備で「予測したい故障」を1つだけ決めること。ベアリング焼き付き、ヒーター断線、エア漏れ、サーボの過負荷——どれか1つに絞り、その故障が起きるときに先に変わる物理量を3つ挙げる。紙1枚、今日15分で書ける。次の段階は、その3つがいまPLCで取れているかを確認すること。取れていなければ、サーボアンプの実電流、温調計の偏差、インバータの出力周波数のように、既に盤の中にあるのに上位へ出していない値がないかを探す。新しいセンサーを買う前にここを潰すのが安く済む。3番目は、リリースが挙げている「検知後に誰がどのように対応するか」を先に決めること。アラートが出たあと誰が現場を見て、誰が部品を手配するかが決まっていないシステムは、必ず無視されるようになる。コストは、既存データの棚卸しと1設備のロギング追加なら実質ゼロ〜数万円。外部にAI開発を依頼する規模になると数百万円クラスを覚悟する。注意点は、75%削減はあくまでモデルケースの試算であり実績値ではないこと。リリース自身がその旨を明記しているので、客先や上司に持っていくときは「試算値」と言い切って引用すること。もう1つ、このリリースは同社が2026年9月30日・10月1日の「AI博覧会 Fukuoka 2026」にゴールドスポンサーとして出展し、10月1日11:00〜11:40に代表取締役CEOの大塚空来氏が登壇するという告知も含んでいるので、九州圏にいるなら現物を見て話を聞くほうが早い。
TOPIC 07 フィールド業務
「PLCデータ収集のPoCは一設備・30日・三つの指標で判断する」という検証計画の型 note記事が、PLCデータ収集への投資を進めるかどうかを決めるPoCについて、「一設備・30日・三つの判断指標に絞るのがよい」という筆者の考えを示している。前提として、PoCを「とりあえずデータを取ってみる期間」にしてはいけない、終了条件が決まっていなければデータは増えても投資判断はできない、としている。PoCで確認したいのは、必要なデータを安定して取得できるか/データ準備の作業を減らせるか/連続データによって判断を早くできるか、の3点で、見るべきなのは「動いたか」ではなく導入前と比べて現場の仕事や判断がどう変わったかだという。対象は最初から工場全体を狙わず、PLCへ接続でき、転記や集計の手作業があり、過去に原因確認で困った異常がある設備を一台選ぶ。
概要の続きを読む+ タグ数も最初は20〜50点程度で十分としている。30日の内訳は4週で、1週目は導入前の基準値を測る(データ回収・整理・集計に使う時間、欠損や転記ミス、異常発生から原因仮説を立てるまでの時間)、2週目は一設備で自動収集を開始し通信の継続・保存周期・タイムスタンプ・PC再起動後の復旧・欠損や重複の有無を確認する、3週目は運転状態・停止回数・サイクルタイム・温度や圧力の推移などを現場モニターや朝会など普段の仕事の中で目に入る場所に置いて一つの現場判断に使う、4週目はデータ準備時間・データ取得率・判断時間の3つで導入前後を比較して継続・改善して再検証・中止を決める、という構成。記事は「中止は失敗ではありません。小額の段階で投資効果が薄いと分かったこと自体が成果です」と書いている。筆者が置く合格条件として、必要なデータの取得率が99%以上、データ準備時間を50%以上削減、少なくとも一件連続データで判断を早められた、現場の人から新しい見方や活用案が一件以上出た、設定と復旧を担当者以外も実施できる、次に展開する設備と利用目的を説明できる、の6項目を挙げている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + この記事の一番の実利は「1週目は何も自動化せず、いまの手間を測る」という指示。最初の一歩はこれで、今日から1週間、データ回収・転記・集計に何分かかったかを日報の隅にメモするだけ。ここを飛ばすと、導入後に「速くなった気がする」しか言えなくなり、次の予算が取れない。次の段階は対象設備を1台に絞ること。選定基準は記事のとおり、PLCへ接続でき、転記や集計の手作業があり、過去に原因確認で困った異常がある設備。自分の担当ならどれかは即答できるはずなので、選んだ理由を1行書いておく。3番目は、タグを20〜50点に絞る作業。ここで欲張ると、データ量よりネットワーク設計と保存容量の話に引きずられて30日が終わる。運転/停止、異常コード、サイクル開始・終了、主要な温度・圧力・電流、この程度で十分。4番目は、記事の3週目が言う「現場の人が見る場所に置く」の実装で、GOTの空き画面かタブレット1枚に直近24時間のトレンドを出すだけでよい。コストはゼロ〜数万円(既存のPLC、ノートPC1台、フリーのOPC UAクライアントやロガーで組める)。注意点は、記事が挙げる合格条件のうち「必要なデータの取得率が99%以上」は思ったよりハードルが高いこと。PC再起動やネットワーク瞬断で1日抜けると99%を割るので、2週目の安定確認を手抜きしないこと。もう1つ、これは筆者が自身の考えとして提示している計画であって、業界標準や公的なガイドラインではない。社内へ持ち込むときは「この型を借りる」という言い方にしておくと、後で数字が合わなかったときに揉めない。
TOPIC 08 フィールド業務
近畿大学が養殖マダイ稚魚の自動選別装置に、パナソニック コネクトの「Robo Sync for Cobot」を試験導入 近畿大学は、養殖用マダイ稚魚の自動選別装置の実用化に向けた改良において、パナソニック コネクトが提供する協働ロボット制御サービス「Robo Sync for Cobot」を試験導入する。記事によれば、近畿大学は全国の養殖業者へ年間約1500万尾のマダイ稚魚を出荷しているが、出荷前の選別作業は目視と手作業に頼っており、その解決のために、ベルトコンベア上の稚魚を画像解析し、異常個体をロボットアームで除去する自動選別装置の開発と実証を進めている。今回、複数メーカーの協働ロボットや周辺機器をノーコードで制御できる「Robo Sync for Cobot」を導入することで、装置の精度向上と継続的な運用体制を整備するとしている。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 注目すべきは水産の話ではなく、「目視と手作業の選別」という、どの工場にも1つはある工程に画像解析+ロボットアームを当てている構図のほう。最初の一歩は、自分の客先で目視選別・目視検査をしている工程を1つ選び、「不良の見え方」を分類すること。色が違う、形が違う、傷がある、サイズが外れている——どれに当たるかで難易度がまるで変わり、色・サイズ系なら既存のビジョンで届くことが多い。今日はスマホで良品・不良品を各20枚撮って並べるところまででよく、これだけで「人が見れば分かるが写真では分からない」不良かどうかが判定できる。次の段階は、除去側の設計。この事例はコンベア上を流しながらアームで抜く構成なので、自分の案件でも「止めて選別する」のか「流しながら抜く」のかを先に決める。流しながらならコンベア速度と撮像タイミング、エンコーダによる追従が要り、PLC側の作り込みが一段増える。3番目に、記事が挙げている「複数メーカーの協働ロボットや周辺機器をノーコードで制御」という点は、見積もり段階で効く観点。ロボットメーカーが客先都合で変わっても制御側を作り直さずに済むかを、提案の比較軸に入れておく。コストは、良否の見極め確認はスマホと無料のAIチャットでゼロ円、実装は協働ロボット本体+ビジョン+架台で数百万円規模を見ておく。注意点は、この案件は「試験導入」であり「装置の精度向上と継続的な運用体制を整備する」という段階で紹介されていること。完成した導入事例として客先に紹介しないこと。また生物のような個体差の大きい対象は、良品の幅が広く教師データが増えがちなので、工数見積もりではデータ収集とラベリングを別枠で積むこと。
TOPIC 09 フィールド業務
Gmailの添付ファイルをGASでDriveへ自動保存する実装——二重保存なし・保存ログ付きで公開 Zennの技術記事が、取引先から届く請求書・見積書・注文書のPDFを毎回ダウンロードしてフォルダに入れ直す作業を、Google Apps Script(GAS)で自動化する実装をコード全文つきで公開している。仕様は、対象メールをGmailの検索式(送信元・件名・ラベルなど)で指定し、`20260924_請求書.pdf` のように受信日つきのファイル名で指定フォルダに保存するというもの。署名のロゴ画像や本文埋め込み画像は保存しないよう、拡張子リスト(`EXT_OK`)と最小サイズ(`MIN_BYTES = 5 * 1024`)で絞る。保存ログとして、メールID・受信日・送信元・件名・保存数・ドライブURLをシートに残す。
概要の続きを読む+ 二重保存しない、返信がついたスレッドの新しい添付も取りこぼさない、6分の実行上限の手前(`LIMIT_MS = 4.5 * 60 * 1000`)で止めて続きは次回、という3点を設計上の要点として挙げている。導入手順は、保存先のGoogleドライブのフォルダを開いてURLの `folders/` の後ろの文字列(フォルダID)をコピーし、新しいスプレッドシートで「拡張機能 → Apps Script」を開いてコードを貼り `FOLDER_ID` を書き換え、`saveAttachments` を一度実行して権限を許可し、トリガーで関数 `saveAttachments` を時間主導型・「1時間おき」などに設定する、という流れ。検索式の既定値は `has:attachment newer_than:3d -in:chats` で、同時実行を避けるため `LockService.getScriptLock()` を使っている。記事は冒頭で、これが「AI Revenue Experiment」という公開実験の一環で書かれた技術記事であること、APIキーは不要で追加費用もかからないこと、有料版へのリンクを最後に置いていることを明示している。
+ TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 制御設計の実務でこれがそのまま効くのは、請求書ではなく「客先・商社から届く図面と仕様書」の管理。最初の一歩は、検索式を `has:attachment newer_than:3d -in:chats` から自分用に書き換えるだけ。案件用のGmailラベルを1つ作り、`label:案件A has:attachment` にして、保存先を案件フォルダに向ければ、届いた図面が受信日つきのファイル名で自動的に溜まる。今日20分で動かせる。次の段階は、保存ログのシートを「受領台帳」として使うこと。メールID・受信日・送信元・件名・保存数・ドライブURLが1行ずつ残るので、「その改訂図はいつ誰から来たか」を後から即答できる。仕様変更の経緯を追われる場面で、これが効く。3番目は、拡張子リストの調整。既定の `pdf/xlsx/xls/csv/docx/doc/zip/jpg/jpeg/png` に、自分の業務なら `dwg` や `dxf`、`gx3`(圧縮されて届くなら `zip` のまま)を足すか外すかを決める。最小サイズ5KBで署名画像を弾く仕掛けはそのまま使える。コストはゼロ。GASの無料枠だけで動き、記事もAPIキー不要・追加費用なしと明記している。注意点を3つ。1つ目は権限で、初回実行でGmailとDriveへのアクセス承認を求められるため、会社アカウントだと組織のポリシーで止まることがある。まず個人アカウントか、情報システム部門の了解を取ってから。2つ目は6分の実行上限で、記事は4.5分で打ち切って続きを次回に回す作りにしているが、初回に古いメールを大量に対象にすると何周も回ることになるので、最初は `newer_than:3d` のまま狭く始めること。3つ目は、客先の図面をDriveへ自動保存する構成は社外秘の扱いに触れるので、社内の情報管理ルールを先に確認すること。
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AIニュース 3 TOPICS TOPIC 10 AIニュース
「LLMへ渡そうとしている操作は、いま自分が身につけたい能力そのものか?」——渡す仕事と渡さない仕事の線引き Zennの記事が、2026年9月17日に福岡で開かれた「【仕事が捗りまくる】非ITの人にも難しくない生成AIを活用した業務効率化の知恵が集まる会 vol.2」での登壇内容をまとめている。筆者は2026年7月に株式会社ALGO ARTISへ入社し、製造業のチームに入って会議に出るようになったが、材料手配・納期・前工程・在庫・発注点・調達リードタイム・購買計画といった話について、単語の辞書的な意味は調べれば分かるのに会議が分からない、分からなかったのは「この人はいま、何を心配しているのか」「別の人は、なぜその案に反対しているのか」だった、と書いている。記事の根幹の問いは「LLMへ渡そうとしている操作は、いま自分が身につけたい能力そのものか?」で、Yesなら自分でやり、Noなら遠慮なく渡す、という線引きを示す。
概要の続きを読む+ 渡した例として、Notion MCPを使ってNotionの資料をClaude DesktopやCodex Appから参照できるようにしたこと(出典つきで横断的に返るためオンボーディングの速度が変わった)を挙げる一方、その罠として「資料を見ている間は分かった気がするのに、画面を閉じると、自分ではほとんど説明できない」「LLMの文章ってなめらかなので、読んでいる間は前に進んでいる気がした」を挙げている。対策として、「もっと分かりやすく」と説明を長くさせるのではなく、「これを理解するために、僕は何を先に知る必要がありますか?」と聞き方を変え、体系的な読み物を出力させて全体の地図を作る方法を示す。渡さなかった仕事として挙げるのは2つ。1つは「摩擦を残す」ことで、出力した教材をObsidianに置き、PDFにしてペンで書き込み、スクショをノートにスクラップし、Gemini Notebook(旧NotebookLM)にクイズを作らせる、という進め方を取ったという。もう1つは「人に聞くこと」で、なぜこの方法を選んだのか、いま何を優先しているのか、といった資料に書かれていないことはLLMに聞いても意味がないとしつつ、「1. ここまでは、こう理解しています/2. 根拠は、資料のこの部分です/3. ここを確かめさせてください」の三行メモを用意してから聞きに行くようにした、と書いている。記事は「ここだけは渡さない!という線を先に引いておけば、それ以外は遠慮なく使い倒せる」という立場を明示している。
情報源 はてブ 生成AI業務(10+) (2026/09/27) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 制御設計の文脈にそのまま置き換えられる話で、最初の一歩は「自分がLLMに渡してよい作業」と「渡すと自分の腕が落ちる作業」を紙に2列で書き出すこと。渡してよい側には、メーカー資料の横断検索、命名規則チェック、英文マニュアルの下訳、議事メモの整形あたりが入る。渡さない側には、シーケンスの状態遷移を自分で描くこと、異常時の切り分け手順を頭の中で組むこと、現場で「なぜこの制御にしたか」を口で説明することが入るはず。今日15分で書ける。次の段階は、記事の「これを理解するために、僕は何を先に知る必要がありますか?」をそのまま自分の勉強に使うこと。たとえばCC-Link IE TSNやOPC UAのように、名前は知っているが説明できない技術について、いきなり解説を求めず「理解するために先に知るべきことを順番に」と頼む。出てきた地図を1枚にして、分からない語に印を付ける。3番目は「人に聞くこと」の実装で、客先のベテラン保全担当や社内の先輩に聞く前に、三行メモ(ここまでこう理解している/根拠はこの資料のここ/ここを確かめたい)を用意する運用にすること。これは相手の時間を奪わない聞き方でもあるので、現場での信用に直結する。コストはゼロ、必要なのは紙とペンだけ。注意点は、記事自身が断っているとおり「手書きが優れている」という主張ではなく、筆者にとって都合のよい制約がペンだった、という話であること。自分に合うのがタイピングでも音声メモでも構わない。もう1つ、この線引きは一度決めて終わりではなく、担当業務が変わるたびに引き直すもの。設計から保全支援へ軸足が移れば、渡してよい作業も変わる。
TOPIC 11 AIニュース
Microsoftが2026年9月25日にCopilotの大規模アップデートを発表——Home / Code / Autopilot の3本柱 Qiitaの記事が、2026年9月25日にMicrosoftが発表したCopilotの大規模アップデート("Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot")を整理している。筆者は今回の発表を一言でまとめると「Microsoft Copilot は『質問に答える AI』から、『仕事を実行する AI プラットフォーム』へ進化しようとしている」ということになる、としている。大きな発表は3つ。1つ目のHomeは、Copilotの新しい開始地点で、Chat、Cowork、Officeが統合され、Word、Excel、PowerPointをCopilotの中から直接作成・編集できるようになる。
概要の続きを読む+ 2つ目のCodeは、自然言語を使ってアプリやダッシュボード、トラッカー、ワークフローなどを作成できるもので、記事はこれを「選択肢の一つとして、新たに付け加えられた AI 駆動アプリ開発ツール」と位置づけ、これまでの成果物がWord・Excel・PowerPointだったとすると、Codeはアプリ・ダッシュボード・業務ツールという新しい成果物を作れるようにする、と説明している。3つ目のAutopilotは、記事が「今回の発表で最もインパクトが大きい機能」とするもので、Personal・Proactive・Persistent なAIエージェントとして、会議準備、フォローアップ、進捗確認、未完了タスクの追跡などを、利用者が毎回指示しなくても継続的に実施するという。記事はさらに、今回は単に機能が追加されたという話ではなく、Microsoft IQ、Fabric IQ、Copilot Managed Runtime、Plugin Registry、FinOps for AI も同時に発表されており、AIを企業で安全に使うための共通基盤を整備する発表でもある、と指摘している。そのうちCopilot Managed Runtimeについては、CodeやCoworkで作成したアプリを、認証・権限・セキュリティ・ガバナンス・監視・ライフサイクル管理を含めてMicrosoft 365上で安全に実行するための共通基盤だと説明している。
情報源 はてブ AIエージェント設計(5+) (2026/09/26) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + 会社がMicrosoft 365を使っているなら、これはGoogle系のGASでやっている自動化と同じ土俵の話になるので、先に自分の環境がどちらかを確認するところから。最初の一歩は、自分のアカウントでCopilotの画面を開き、Word・ExcelがCopilotの中から直接触れる状態になっているかを見ること。なっていなければライセンスの問題なので、そこで検討は止めてよい。5分で終わる。次の段階は、記事が挙げるCodeの「ダッシュボード・トラッカー」に当たるものを、自分の業務で1つ決めること。制御設計なら、案件ごとの進捗トラッカー(設計→製作→出荷→立ち会いの4段階)か、客先別の不具合対応リストあたりが現実的。いまExcelで手作業管理しているものを1つ選び、自然言語で作らせて既存ファイルと比べるのが一番早い評価になる。3番目は、Autopilotのような継続動作するエージェントを検討する前に、社内のルールを確認すること。記事が「AIを企業で安全に使うための共通基盤」としてCopilot Managed Runtimeや権限・ガバナンスの話を挙げているのは、裏を返せばこの層を整えないと現場で勝手に走らせるのは危ういという意味に読める。コストは、Copilot系の機能は多くの場合Microsoft 365の追加ライセンスが必要で、個人で試すなら月数千円規模、全社展開なら人数分の見積もりになる。まずは自分1人分で試して価値を測るのが安い。注意点は、ここで書かれている整理はQiita記事の筆者によるもので、Microsoftの公式説明そのものではないこと。社内に持ち込むときは元の発表を自分で確認すること。もう1つ、会議準備やタスク追跡を継続的に実施するエージェントは、客先名や装置情報を含むメール・カレンダーを常時参照することになるので、社外秘情報の扱いを情報システム部門と先に握ること。
TOPIC 12 AIニュース
DockerがAIコーディングエージェント向け公式スキル集「Docker Skills」を公開——9月26日時点で11種類 gihyo.jpの記事が、DockerのArnaud Héritier氏が2026年9月24日に、同社がAIコーディングエージェント向けの公式スキル集「Docker Skills」を公開したことを自身のXやBlueskyで案内した、と伝えている。Dockerfileの改善や複数コンテナーで構成するアプリケーションの設定などを、エージェントがDocker公式の指針に沿って進めるためのスキルを提供するもので、Claude Code、Codex、GitHub Copilot、Cursorなどの対応エージェントで利用でき、ライセンスはApache License 2.0を採用する。各スキルには、どのような作業で使うかと、その作業をどう進めるかを記した `SKILL.md` が含まれ、対応するエージェントはユーザーの依頼とスキルの説明を照合して関連する指示を読み込む。
概要の続きを読む+ ユーザーが依頼のたびにスキル名を指定する必要はなく、複数の製品にまたがる作業では複数のスキルを使えるという。9月26日時点のカタログには11種類が掲載されており、Dockerfile・ビルド向けが2種類(`docker-project-foundations`、`docker-build-strategies`)、Docker Compose向けが1種類(`docker-compose-patterns`)、AIエージェントを隔離して動かす環境を扱うDocker Sandboxes向けが4種類(`docker-sandboxes-lifecycle`、`docker-sandboxes-network-credentials`、実験段階の `docker-sandboxes-env` と `docker-sandboxes-kits`)、Docker Agent向けが3種類(`docker-agent-config`、`docker-agent-run`、`docker-agent-deploy`)、製品共通が1種類(データの削除など、元に戻せない操作を実行する前の確認方針を扱う `docker-destructive-guardrails`)に分かれている。導入はClaude CodeやCodexではプラグインとして、Gemini CLIでは拡張機能として行え、Vercel Labsが公開する skills CLI(`npx skills add docker/skills`)を使う方法もある。記事は、公式ドキュメントがエージェントの提案した変更やコマンドをレビューしプロジェクトのテストを実行するよう案内していること、破壊的な操作についても内容を確認してから承認するよう説明していることにも触れている。スキルの対象は現時点ですべてのDocker製品を網羅しておらず、Héritier氏は今後もスキルを増やしていくとしている。
情報源 はてブ ClaudeCode(10+) (2026/09/25) /
出典を読む ↗ + TAKE IT TO THE FIELD 現場での活用アイデア + Dockerそのものを使っていなくても、この発表から持ち帰れるのは「ベンダー自身が、AIエージェント向けの作法をSKILL.mdという形で配る」という流れが始まったこと。最初の一歩は、自分が普段AIに間違えられて困っている領域で、同じ形の自前スキルを1つ作ること。軸Aのトピック3で触れたPLC用スキルと同じ構造で、`SKILL.md` に「どういう作業で使うか」をdescriptionに書き、本文に原則と禁止例を並べる。今日、テキストファイル1枚から始められる。次の段階は、11種類のうち `docker-destructive-guardrails` の考え方を自分の運用に移すこと。これは「元に戻せない操作を実行する前の確認方針」を扱うスキルで、AIに作業を任せる場面では領域を問わず効く発想になる。自分の場合なら、PLCへの書き込み、客先サーバーへのファイル削除、バックアップの上書きといった不可逆な操作について、「実行前に何を確認させるか」を文章にしておく。3番目は、記事が触れている公式ドキュメントの案内——エージェントの提案した変更やコマンドをレビューし、テストを実行してから採用する——をそのまま自分のルールにすること。コストはゼロ。Docker Skills自体もApache License 2.0で、`npx skills add docker/skills` で導入できると記事は書いている。注意点は、Docker Sandboxes向けの `docker-sandboxes-env` と `docker-sandboxes-kits` は実験段階として紹介されている点で、この2つを業務の前提にしないこと。もう1つ、これはあくまで開発者向けの発表で、FA現場の装置制御に直接関係する話ではない。自分の業務に持ち込むのは「スキルという配り方」の部分だけに留めるのが妥当。
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