AI × FA ダイジェスト WEDNESDAY

2026年7月15日

制御設計・フィールド業務・AIニュースの動きを、ひとつに。

THIS ISSUE10TOPICS / 全文無料
制御設計05フィールド業務05
A

制御設計

5 TOPICS
TOPIC 01制御設計

三菱電機のラダー生成AI、正答率60〜70%・ST言語はClaude採用

三菱電機が開発中の生成AIラダープログラム自動生成ツールの中身がMONOistのインタビューで明らかになった。GX Works3の中のロジックを学習させ、MELSOFT GX Works3にインポート可能な形で出力する。新規作成や既存ラダーからの生成など4つのユースケースを想定。IIFES 2025で開発段階のデモを公開済み。テストでのラダー言語の正答率は60〜70%程度で、多くの不正解も「正解に近い」ものだったという。注目は言語ごとのモデル使い分けで、ラダー言語とST言語で異なるモデルを使い、ST言語ではClaudeのモデルを採用している。背景には熟練技術者の減少と技能継承の課題があり、プログラミング経験が限定的な技術者の負担軽減を狙う。IIFES会期中にはST言語自動生成機能の開発も説明予定。

情報源
MONOist (2026/03/16) / 出典を読む ・ 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

「純正ツールが60〜70%」という数字は、逆に言えば自分の手元でも汎用LLMで下地は作れる水準ということ。最初の一歩は、GX Works3で書いた既存プロジェクトのラダーを1本、日本語の仕様コメント付きでテキスト化し、ChatGPTかClaudeの無料枠に「この動作条件のラダー骨子をST言語で書いて」と投げて出力を見比べること。三菱がST言語にClaudeを当てているのは示唆的で、構造化されたSTの方がLLMと相性が良い。正答率が7割なら残り3割は必ず自分でレビューする前提で、まず自己確認から。純正ツールの正式版が出るまでの間、STで叩き台→ラダーへ手起こしという流れなら今日から無料で試せる。誤生成の癖(タイマー・エッジ検出の取りこぼし等)を自分のプロジェクトで洗い出しておくと、正式ツール導入時に一気に使いこなせる。

TOPIC 02制御設計

Siemens、CES 2026で9つの新Copilotを発表

SiemensがCES 2026で、ソフトウェア製品向けに9つの新しいAI Copilotを発表した。対象はTeamcenter(製品データの探索)、Polarion(コンプライアンス自動化)、Opcenter(製造プロセス変革)など。製品データのナビゲーションを効率化してエラーを減らし市場投入を早める、コンプライアンスを自動化して規制承認を速めリスクを下げる、製造プロセスを変えてコスト削減と業務効率化を進める、といった効果を掲げる。これらはSiemens Xcelerator Marketplaceであらゆる規模の企業が利用できる。あわせてDigital Twin Composer上でシミュレーション検証を行うAIエージェント(PepsiCoの事例)も披露した。

情報源
Siemens News (2026/01/06) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

Siemens純正Copilotは三菱PLC中心の現場だと直接は使いにくいが、「設計データの探索」「規格・コンプラ照合」「製造プロセスの記述」という3つの切り口はメーカー非依存で真似できる。まず効くのはコンプラ照合で、客先仕様書や社内標準(安全規格・配線ルール)をPDFでまとめてClaudeのプロジェクトに入れ、新規盤設計時に「この仕様書に照らして抜けがないか」をチェックさせる使い方。無料〜サブスク内で今日試せる。Xcelerator Marketplaceは眺めるだけでも、大手がどの業務からAI化しているか(設計データ管理→コンプラ→製造)の順番が分かり、自分の現場でどこから手を付けるかの地図になる。

TOPIC 03制御設計

GAS×Geminiで手書き帳票をAI-OCR、無料枠でスプレッドシート自動入力

Google Apps Script(GAS)とGemini APIを組み合わせ、手書き帳票をAI-OCRしてスプレッドシートへ自動入力する手法が紹介された。画像をGoogle Driveに保存し、DriveAppで読み込んでUtilities.base64Encodeし、inline_dataとしてGeminiに送る。Files APIでの複数アップロードが不要で、1回のリクエストに集約できるのが利点。responseSchemaで出力形式を指定すると、その形のJSONだけを返すため、データの構造化が確実になる。スプレッドシートやドライブとの連携はGAS標準で備わり、追加サービスなしで完結、Gemini APIの無料枠に収まる範囲で実装できる。「かつては高いモデルで複雑なプロンプトが必要だったが、安いモデルでシンプルなプロンプトで現場の手書き帳票がここまで読める」水準になったとされる。

情報源
Qiita (2026/07/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

これは制御設計の周辺業務に直撃する。最初の一歩は、手書きの点検表や試運転チェックシートをスマホで撮ってDriveの1フォルダに入れ、GASで拾ってGeminiに投げ、日付・項目・測定値の列を持つスプレッドシートに落とすまでを1枚で試すこと。responseSchemaで「日付・設備名・測定項目・値・判定」を固定すれば、表記ゆれのある手書きでも構造化して蓄積できる。無料枠で回るので導入コストは実質ゼロ、GASの知識も第1回チュートリアル程度で足りる。まず自分の手書きメモ1種類で空振り確認してから、客先で使う正式帳票に広げるのが安全。読み取り精度は7〜8割見込みで、金額・寸法などクリティカルな数値は人が最終確認する運用が前提。

TOPIC 04制御設計

GAS×Geminiでスプレッドシートから直接AIを呼ぶ最短ルート(環境構築編)

「スプレッドシートのデータをAIに投げたいが、毎回コピペするのは面倒」——その悩みを解決するのがGoogle Apps Script(GAS)とGemini APIの組み合わせだとする連載の第1回「環境構築編」。このシリーズでは、GoogleスプレッドシートをAIが自動で扱う仕組みを作っていく。タイトルにあるとおり「最短ルート」を掲げた入門記事で、前掲の帳票OCR記事と同じ技術スタック(GAS+Gemini API)にあたり、より基礎からの第一歩となる。

情報源
Qiita (2026/07/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

トピック3が「画像→表」なら、こちらは「表→AI処理」で、両輪で覚えると設計事務作業がまとめて楽になる。最初の一歩は、部品リストや不具合ログのスプレッドシートに1列「AIメモ」を足し、GASのカスタム関数からGeminiに「この行の部品の代替候補を1つ挙げて」等を聞いて書き戻す小さな関数を1つ作ること。環境構築はAPIキー発行とスクリプト貼り付けで30分程度、費用は無料枠。いきなり全業務に広げず、まず自分だけが使う1シートで動かし、キーの管理(スクリプトプロパティに入れて直書きしない)だけは最初から守る。

TOPIC 05制御設計

問い合わせ対応AIの「人間確認」を放置しない仕組みをGASで作る

問い合わせ対応にAIを使うと分類や返信下書きは速くなるが、苦情・契約・返金・個人情報などを人間確認へ回した後、担当者と期限が決まっていないと対応がそこで止まる、という落とし穴を指摘した記事。GoogleスプレッドシートとGASで、人間確認へエスカレーションした案件の担当者と期限を管理し、放置を防ぐ運用を組む。AI導入の効果を「速くなった」で終わらせず、人が引き取る部分の抜け漏れを仕組みで塞ぐという、業務プロセス設計寄りの視点。

情報源
Qiita (2026/07/13) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

これは設計・現場のどちらにも効く「AIに任せた後の詰め」の話。制御設計なら、客先からの仕様問い合わせをAIで一次分類しても、判断保留になった案件の担当と回答期限がスプレッドシートで見えていないと結局止まる。最初の一歩は、既存のGoogleフォーム/スプレッドシートに「要人間確認」フラグと「期限」「担当」列を足し、GASで期限超過をChatやメールに通知するだけの短いスクリプトを1本置くこと。無料枠で完結、コードも数十行。AIで速くした分を、こういう期限・担当の可視化に回すと、現場のトラブル対応票の放置ゼロにそのまま応用できる。

B

フィールド業務

5 TOPICS
TOPIC 06フィールド業務

予知保全AI、音・振動の全周波数を解析してベテランの勘を可視化(ソアー×SCSK)

SCSKと株式会社ソアーが取り組む予知保全の実証実験。工場の設備装置にIoTセンサーを取り付け、装置の音や振動のデータを収集する。特に音を構成する周波数すべてのデータをAIで解析し、膨大なデータから微細な特徴を見出すことで、これまでベテラン社員だけが気づけた故障の予兆を可視化するのが狙い。試算では、工場系ファシリティで年間0.83億円、生産系ファシリティで年間0.97億円のコスト削減、人員3名の削減が見込まれるとされる。「止まらない工場」に向けた、勘と経験の形式知化の一例。

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SCSK IT Platform Navigator (2026/02/01) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

全周波数解析のシステムはいきなりは重いが、考え方は個人でも真似できる。最初の一歩は、気になる設備(ポンプ・モーター・コンプレッサ)の正常運転時の音をスマホで録り、無料の音声解析アプリやスペクトル表示で「正常時の音の指紋」を1台分だけ取っておくこと。異音が出たとき同じ条件で録って重ねれば、どの周波数帯が増えたかが素人目にも分かる。ベテランが「音でわかる」と言うのはこの周波数変化のことなので、まず自分の担当設備1台で正常時のスペクトルを控えるだけでも予兆検知の入口になる。本格導入は数百万円規模のセンサー+クラウドだが、この「正常時を先に記録する」習慣はコストゼロで今日始められ、客先での故障切り分けの説得材料にもなる。

TOPIC 07フィールド業務

Siemens ProductCERT、S7-PLCSIM AdvancedにDoS脆弱性ほか複数の更新

Siemens ProductCERTが複数のセキュリティ勧告を更新した。SIMATIC S7-PLCSIM Advancedには、攻撃者がサービス拒否(DoS)状態を引き起こせる脆弱性があり、Siemensは修正版を準備中で、修正が未提供の製品には個別の緩和策を推奨している。またOpenSSLのスタックベースのバッファオーバーフロー(DoSや遠隔コード実行の恐れ)がDesigo CCに影響し、いくつかの製品で新版がリリースされた。ほかにPalo Alto PAN-OS/Fortinet FortiOSに関連するRUGGEDCOM APE1808向け勧告や、Mendixのアクセスルール設定に関する文書不備の指摘もある。いずれも産業用製品のパッチ適用・回避策の確認を促す内容。

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+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

S7-PLCSIM Advancedはシミュレータなので直接ラインを止める類ではないが、開発PCに入っている人は多い。最初の一歩は、自分と客先の開発環境でPLCSIM AdvancedやDesigo CC関連が使われているかを棚卸しし、該当があればSiemensの勧告番号(SSA-828211等)をブックマークして修正版の公開を待つこと。緩和策としては、シミュレータを載せた開発PCを客先の制御ネットワークに常時接続しない運用を徹底するだけでもDoSの露出は大きく下がる。コストはゼロ、手間は棚卸し30分。ProductCERTのRSSを購読しておくと、客先に出向く前に「今どの製品にパッチが要るか」を1分で把握でき、保全提案の信頼度が上がる。

TOPIC 08フィールド業務

PLCデータ収集の前に作る「1枚の設計メモ」——保全担当が最初に決める3項目

PLCから取れそうな信号をとりあえず集め始めると、最初は順調でも、しばらくすると「このデータを何に使うのか」「どこまで保存するのか」が曖昧になり、見る人がいなくなる——という、現場でありがちな失敗を指摘したnote記事。データ収集を始める前に必要なのは、高価なツールでも大量の信号一覧でもなく、目的・保存範囲などをA4一枚に定める「設計メモ」だとする。保全担当が着手前に決めるべき3項目を軸に、収集の空回りを防ぐ考え方を示す実務寄りの内容。

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note #PLC (2026/07/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

予知保全やデータ収集を客先に提案する前の「型」としてそのまま使える。最初の一歩は、次にデータ収集を頼まれたとき、いきなりPLCのデバイスを開くのではなく、「何を判断したいのか(例:このモーターの過負荷傾向)」「そのために要る信号は何か」「どれだけの期間・粒度で残すか」の3行をA4に書き出すこと。ここでClaudeやChatGPTに「この設備でこの故障を早期検知したい。集めるべき信号と保存粒度を提案して」と壁打ちすると、抜けている信号(電流だけでなく温度・振動も)に気づける。ツール費ゼロ、所要15分。この1枚があると、後からデータが増えても「見る人がいなくなる」失敗を避けられ、客先への提案書の骨子にもなる。

TOPIC 09フィールド業務

シグナルタワー(積層信号灯)設計の勘所——腕が出るのは「赤」でなく「黄」

現場エンジニアによる、シグナルタワー(赤・黄・緑の積層信号灯、いわゆるパトライト)の設計論。役割は設備の状態を離れた場所から一目で伝えること。緑=正常運転、黄=材料切れなどの警報、赤=異常停止。ここまでは誰でも知っているが、玄人の勘所は、点灯と点滅で意味を分ける・点滅間隔まで仕様書で決める・ブザーの鳴らし方も色とセットで設計する、といった詰めにある。設計の腕が出るのは赤ではなく黄で、止まってから知らせるのは誰でもできるが、材料が切れる前に予告する・消耗品の交換時期を事前に知らせる・人が先回りできる時間を作る、という設計次第でラインの停止時間はまるで変わる。トヨタのアンドンに通じる「異常の見える化」の実装だと論じる。

情報源
X @enginner_dog (2026/07/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

この「黄で予告する」思想は、AIツールを持ち出す前の設計品質の話で、明日の盤設計にそのまま効く。最初の一歩は、次に信号灯の仕様を書くとき、赤(停止)だけでなく黄の発報条件を「事後」から「予告」へ1つ格上げすること——例えば材料残量が閾値を切ったら点滅で予告、を1条件足すだけでいい。点滅間隔やブザーのパターンを仕様書に明記しておくと、50台並ぶラインでオペレータが色だけで走る先を判断できる。コストは追加部品ゼロ(ロジックとドキュメントの工夫のみ)。さらに、過去の停止ログをスプレッドシートにためてClaudeに「どの警報を予告化すれば停止時間が減ったか」を分析させると、黄の設計を数字で裏付けられる。

TOPIC 10フィールド業務

Anthropic、Claudeのロボット制御タスクを検証——できたこと・できないこと

Anthropicが「How Claude Performs on Robotics Tasks」を公表し、Claudeでロボットプログラミングがだいたいできた、という検証結果が紹介された。うまくいかなかった部分として挙がったのは、ボールを最後の数cm押す動作、接触力の調整、微妙な位置合わせなど。つまり、手順の組み立てや大枠のプログラミングはLLMがかなりこなせる一方、力加減・繊細な位置決めといった物理的な最終詰めは依然として苦手、という現状が示された。ロボットや自動機の「知能」部分と「手先」部分の得意不得意の境界が具体的に見える事例。

情報源
X @OsoneHiroyuki (2026/07/14) / 出典を読む
+TAKE IT TO THE FIELD現場での活用アイデア

自動機・ロボット導入の現場で「どこまでAIに任せ、どこは人と機構で詰めるか」の線引きにそのまま使える示唆。最初の一歩は、次にロボットのティーチングやハンドリング仕様を検討するとき、動作シーケンスの組み立て(順序・条件分岐・エラー処理の骨子)はLLMに叩き台を出させ、力制御・数mm精度の位置合わせ・接触を伴う挿入は機構(倣い機構・フローティング・センサーフィードバック)側で担保する、と最初から役割分担を決めること。AIに繊細な力加減まで期待して工数を溶かすより、苦手が分かっている今は「段取りはAI、手先はメカ」で設計した方が早い。検証コストは無料(叩き台生成のみ)。この境界感覚を持っておくと、客先から過剰な自動化を求められたときも、現実的な線を根拠を持って提案できる。

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